山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。
今月のお題は、「マルス」である。
なかなかお目にかかれないモルトではあるが、これをご覧の諸氏なら名前はご存知かと思う。本業といっては怒られてしまうが、本坊酒造は本格焼酎を製造しているメーカーだ。
本坊酒造はモルトのほかにも、山梨でワインを醸造している。そしてモルトであるが、信州は伊那に蒸留所がある。10ほど前、工場を訪ねたことがあるが、たしか稼動はしてなかったと思う。
ジャパニーズモルトのなかでもマイナーな蒸留所ではあるが、5本揃えて飲んでみると、そこそこの出来栄えで、時に渋い味わいや熟成を感じさせた。
エステリーな香りがジャパニーズモルト、御殿場あたりを連想してしまったのは偶然であろうか。
さて、今月のモルト5本を紹介しよう
*** [No.1] MARS SINGLE MALT SINGLE CASK WHISKY sherry 606 cask no.606(478L)1989-1999 10年 43%(樽出し時58.7%) ***
(香り) スィートでミントの香り。奥には黄金糖の香り。しだいに単調な香りとなり、若さを感じるようになる。草の香りや、ダンボールの香り。
(味) 渋味と軽いピート。わずかに酸味を感じる。シェリー樽熟成の個性。
*** [No.2] TRIPLE CASK MALT WHISKY VINTAGE SATSUMA cask no.1683,1684,1691 1984-2004 20年 55% ***
(香り) 爽やかなトップノート、青空のような香り。どことなく梅酒の香り。フレッシュで心地よい
(味) やはり梅酒の味わい。苦味がアクセントとなっている。わずかに若さを感じる。
*** [No.3] MARS MALT GLALLERY シェリーバット cask no.0565-890 1988-2005 58% ***
(香り) ビターな香り。コクがあり、ふくよか。しだいに熟成香が見え隠れするようになる。ウッディ。梅酒の香り。
しだいにトースティーに変わってくる、1時間もすればしっかりシェリーの個性となる。
(味) かなり強いシェリーの個性、生臭い。硫黄の香り。やや嫌味を感じる苦味。
*** [No.4] MARS MALT GALLERY アメリカンホワイトオーク 1985-2009 23年 58% ***
(香り) たいへんエステリー、まったりと甘い香り。有機溶剤系の香り。わずかにウッディ、アメリカンオーク新樽の個性。
(味) やはりエステリー、心地よい苦味。かすかにウッディ。
*** [No.5] SINGLE CASK VINTAGE 樽出原酒 駒ケ岳 365/430 cask no.616 1989-200 60.1% ***
(香り) 強いエステリー感、コクを感じさせる香り。苦味がアクセント。時間がたてばミルキーな香りも感じ取れる
(味) とてもエステリー、しばらく味わっていると苦味を感じるようになる。アメリカンオークの個性。やや単調な味わい
*** [No.6] SINGLE CASK VINTAGE 樽出原酒 駒ケ岳 387/402 cask no.448 1986-2006 60.% ***
(香り) トップノートはエステリー、酸味が香りを引き締めている。エステリーに慣れてくるとしぶみが感じられるようになる。香りの数は多くない
(味) やはりエステリーで渋味を感じる。渋味からくる深みとウッディな熟成感。ぶどうのあじわいも。香りは単調だが、味は複雑でうまい。
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#Tasting Note