山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。
今月のお題は、「ブナハーブン」である。
モルト呑みの間で人気の高いアイラモルトにあって、最も話題にのぼることの少ない蒸留所がここブナハーブンではないだろうか。
たしかに、ここブナハーブンには印象深いモルトが少なく感じられる。ピートをほとんど効かせず、かつ華やかさも抑え目のハウススタイルは大変地味である。
そんな印象しか持たなかったのだが、そこはこのモルト会、普通のモルトは出されない。5本を呑み終えると、今回もたいへん素晴らしいモルトが多々あった。
基本的にドライでありながら、味わい深くウッディな熟成感もあり、たいへんレベルの高いモルトが出てきたのである。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] ジョン・マクドゥーガル スピリット・オブ・アイラ ブナハーブン ラムカスクフィニッシュ 1982-2003 46% ***
(香り) トップノートはミント、香りはなかり軽い。わずかにヌカの香りも。しだいに酸味がでてきてアクセントが付く。フルーティーさは梅の香り。
(味) たいへんドライ、無機物の味わい。軽いがしっかりした熟成が感じられる。
*** [No.2] ベリー・ブラザーズ・アンド・ラッド ブナハーブン 1990-2004 53.2% ***
(香り) 酢酸エチルの香り、たいへんエステリー。メロンの香りも感じられる。奥にはまったりとしたタクアンの香りも。酸味もほどほどに感じられる。
(味) やはり酢酸エチルの味わい、フルーティーではあるがドライである。よく味わってみるとしぶみも感じられる。
*** [No.3] シグナトリー ブナハーブン シェリーバット cask no 2539 1978-2005 26年 54.6% ***
(香り) トップノートはエステリー。しだいにこってりとした香りになり、バタースカッチの香りで満たされる。時間が経つと甘い香りも増えてくる。香りの数はたいへん多い。
(味) うまみが強く味わい深い、うまみとは相反するがドライでもある。かすかに熟成由来のウッディな印象がある。
*** [No.4] デュワー・ラトレー ブナハーブン シェリーバット cask no 6223 1/529 1976-2008 31年 49.4% ***
(香り) 言葉に出来ないが、かつて嗅いだことの無い香りがする、無機物の香りだ。香りの数はたいへん多い、ハチミツの香りもある。
しだいにエレガントな香りに変化するとともに、ウッディな熟成感に満たされる、たいへんすばらしい香りだ。バタースカッチの香りもある。
(味) 基本的にはドライだが、味の数は多く、熟成感が大である。ウッディな味わいが素晴らしい、渋味も熟成感を上げるのに一役買っている。たいへんうまいモルトである。
*** [No.5] ダグラスレイン オールド・モルト・カスク ブナハーブン 1/379 1979-1998 19年 50% ***
(香り) へんな表現だが「くさい」である、シェリー樽熟成であろうと思われるが、えぐみや焼いた砂糖の香り、ヌカの香りも。よく言えば香ばしくトースティーである。
(味) やはりシェリー樽熟成の個性である焦げたゴムの味わいが強い。シェリー樽熟成好きの方にはお勧めであろう。
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#Tasting Note