山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。
モルトの会、テイスティングノート
2007.08.26 スタンドバーにて
今月のお題は、「ラフロイグ」である。
ラフロイグといえば、アイラモルトのなかでも特にピートが強く、フェノールやヨード香と相まって、熱狂的なファンが存在する蒸留所である。
ところがモルト会でテイスティングをすれば、なぜかそんな強烈な個性が見えてこない、これもブラインドテイスティングのなせる業か。今回テイスティングを進めていってもラガブリンという名前があがってもラフロイグの名前はなかなか出てこなかったのである。
さらに今回はオフィシャルボトルの30年が出されたのであるが、香りは最高と感じながら味はブレンデッドではないかとさんざんであった。それだけカスクストレングスの味わいは濃厚であると再認識したしだいである。
さて、今回の5本を紹介しよう。
*** [No.1] テイスト・スティル ラフロイグ ラムフィニッシュ 1996-2006 10年 63.5% ***
(香り) トップノートはミント、軽くエステリーで上品である。しばらくするとミルクの香りがでてくる。さらに追って軽いピート香を感じるようになる。
キャラメル香も顕著でバーボン樽であろうか。
(味) まずピートを感じる、その後フルーティーでさわやかな酸味。しばらく味わっていると、奥にはさまざまな深みのある味が感じられ複雑である。
*** [No.2] ジャック・アンド・ジャック ラフロイグ バーボン 1996 10年 53.4% ***
(香り) 軽いピートを感じる、その後青い柑橘系の香り。軽くエステリーであるが、アルコール感が強く、雑味とともにやや若さが出てきてしまう。
(味) ピートが強い、しかし旨みがのっており、飲みごたえがある。比較的ドライであり、フィニッシュはピートに支配される。
*** [No.3] SMWS 29.59 ラフロイグ 1989-2006 17年 58.9% ***
(香り) 深い香り、まったりとしてビッグボディ。ややえぐみが感じられる。アルコール感が強い。
しだいにバニラの甘い香りが漂うようになるが、シェリー樽の個性も感じられる。酸味もほどよくバランスしており重くならない。最後になったがピートが中程度に香る。
(味) 甘味が心地よい、エステリーかつフルーティーで爽やか。ピートは強いが、それだけではない飲み口である。最後は辛味を感じる。
*** [No.4] オフィシャルボトル ラフロイグ 30年 43% ***
(香り) 最高のエステリー。高級フルーツ。深みがあり、すばらしい甘味を伴う。ほどよく酸味が香る。色彩感が強い香り。
比較的早く香りが弱くなり、ピート香が顔を出す。
(味) 含み香が弱い、ブレンデッドのような軽さもある。ピリピリとしていてドライでからい。
気がついてみるとけっこうピートが強い。
*** [No.4] アベイヒル ラフロイグ ノンチル リフィルホッグスヘッド 2000-2006年 57.4% ***
(香り) トップノートはキャラメル、甘い香りが気分をほっとさせる。やや焼酎くさいところもある。
時間とともにピート香が強くなる
(味) 甘いのみ口。深みがありボディが厚い。その後ピートが強く出てくる。ほろにがいフィニッシュ。
#Tasting Note