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Dufftown ダフタウン地区

Dufftown ダフタウン地区  場所

人口1500人ほどの小さな村に7つのウイスキー蒸留所がひしめきあっている。
エルギンからA941を南進して、ローゼス、クレイゲラヒ、そしてダフタウンとつながる。
B9009を北西に進むとキースの街に至る。
かつて「ダフタウンは7つのスチル(蒸留所)からなる」といわれた。
モートラック(1823年)
グレンフィディック(1887年)
バルヴェニー(1892年)
コンバルモア(1894年)
パークモア(1894年)閉鎖
ダフタウン(1896年)
グレンダラン(1898年)
以後ピティヴェアック(1975年)とキニンヴィ(1990)が加わり、2002年にピティヴェアックが閉鎖され、現在は再び7つの蒸留所に戻っている。

「フィディック3兄弟+熟成庫」 「ダフタウン兄弟」 「その他3つの蒸留所」 で覚える。

グレンフィディック3兄弟(グレンフィディック、バルヴェニー、キニンヴィ)+熟成庫(コンバルモア)


・グレンフィディック蒸留所(ウィリアムグラント&サンズ社)
 場所
鹿の谷」の意味。1887年建設からファミリー経営が今も続く。
世界で一番飲まれているシングルモルト。
マッシュタンはステンレス製のフルロイタータンが2基、麦芽粉砕機も2基、伝統的なダグラスファーのウォッシュバックは24基、スチルは小型のボール、ストレート、ランタンヘッドが混在初留10基、再留18基(19基)はスコットランド最多。
年間1000万リットル生産で、これもスコットランド最大。
蒸留所内に瓶詰め設備(関連:スプリングバンク、ブルイックラディ)やクーパレッジがあり専任の樽職人もいる。
ビジターセンータには年間7万人以上の観光客が訪れる。
ウィリアムグラントはダフタウンにバルヴェニー、キニンヴィも所有している。


・バルヴェニー蒸留所(ウィリアムグラント&サンズ社) 
 場所
グレンフィディックの姉妹蒸留所でグレンフィディック創業の5年後の1892年にウィリアムグラントによって建設された。
酵母も大麦もフィディックと同じものを使いながら出来あがりは全く異なる。フィディックの大吟醸ともいえる。
バルヴェニーはダフタウンにある古城の名前で、「山麓の集落」の意味。
フロアモルティングを行っている。
ボール型の大きなポットスチルは初5基、再6基。

・キニンヴィ蒸留所(ウィリアムグラント&サンズ) 場所
グレンフィディック、バルヴェニー、カーヴァンにつづくWG&S社の第4の蒸留所。
1990年7月4日創業。(アメリカ独立記念日)
バルヴェニーとグレンフィディックとは敷地を隣接している。
初留釜はタマネギ型が3基、再留釜はボール型が6基。(関連: 初留2基、再留3基 マクダフ タリスカー)
ライトライプのグレンフィディックとバルヴェニーの中間くらいの性格をもつモルト。
グランツなどのブレンド用のほか、1%のバルヴェニーを加えたヴァッテドモルトとして販売。
2008年にはヘーゼルウッドというシングルモルトが限定発売された。

・コンバルモア蒸留所(1985年閉鎖)
一度火災で焼失後に、連続式蒸留機でモルトを蒸留するという新しい試みがなされた。
しかし出来あがったモルトが以前と全く違った性質を持つため、再び元のポットスチルにもどした。
閉鎖後は、隣接するバルヴェニーやキニンヴィのオーナーであるウィリアム・グラント&サンズ社が買い取り、同社の熟成庫として使用されている。


ダフタウン兄弟(ダフタウン、ピティヴェアック)

・ダフタウン蒸留所(ディアジオ社)  場所
生産の98%がブレンド用、現在「シングルトン・オブ・ダフタウン」が販売されている。(関連:グレンオード、グレンダラン)
蒸留所の建物は食品工場を改造したもの。
花と動物シリーズには「カワセミ」が描かれている。

・ピティヴェアック蒸留所(1993年閉鎖)
ダフタウン蒸留所の弟分としてアーサー・ベル社によって建設された。
ダフタウンと同じ品質のモルトをつくろうとして、ダフタウンと同じスチルや原料を使い同じ熟成庫で熟成させたのにもかかわらず、出来あがりはまったく性格の異なるモルトになってしまった。不思議。
花と動物には「ロー・ディアー(ノロジカ)」が描かれている。

その他3つの蒸留所(グレンダラン、モートラック、アルタベーン)
覚え方:ダランとした牛を乗せたトラックがアルタ前でウキウキウォッチン。

・グレンダラン蒸留所(ディアジオ社)  場所
ダラン川の谷という名前だが、フィディック川沿いに位置している。
花動には「グレンヘロン」(アオサギ)が描かれている。
シングルトン・オブ・グレンダランも発売されている。(関連:グレンオード、ダフタウン)
国王エドワード7世にも献上された。
オールドパーの原酒。

・モートラック(ディアジオ社) 場所
ダフタウンのなかで最古の蒸留所。(1823年設立)
牛とトラックではなく、「椀状の窪地」の意味。
ジョニーウォーカーの主要原酒。
ポットスチルの大きさや形がバラバラで、一番小さいスチルには魔女が棲む。
一部を3回蒸留するという複雑なシステム。
ベンリネスと同様に、ディアジオの異端児と畏怖される。


・アルタベーン蒸留所(ペルノリカール社) 
場所
蒸留所のそばを流れるアルタベーン川(「ミルク色の小川」)から。
1970年代にカナダのシーグラム社によってブレイズ・オブ・グレンリベット(現ブレイヴァル)とともに建てられた。
どちらも最新の設備が導入された近代的な蒸留所。
ウォッシュバックは下部が円錐型をした珍しい形。
ポットスチルはストレートとボール型、初留器のうち1器はエクスターナルヒーティングを採用。(関連:ミルトンダフ、グレングラッサ、グレンバーギ)
樽詰めされたモルト原酒はキースにあるシーバスの集中熟成庫で熟成される。
ほとんどがシーバスの原酒となり、シングルモルトは希少。

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