こんばんは。
先日行った沢登りで、幅1,5m長さ15mほどの鉄製の橋の半分が、土台の巨岩ごとごっそりと500mくらい下流に流されていました。台風12号の豪雨の影響ですね。
こんなに頑丈そうなものが…と自然のエネルギーの凄さにビックリした酒井です。
画像はかろうじて残るもう半分の橋…。えげつないのう。。。
さてさて本日は少し前に観ました映画の紹介。
『ビューティフル』
“スペインのバルセロナの片隅で暮らす男<ウスバル>は、妻と別れ、男手一つで二人の子どもを育てていた。
彼はアフリカ系や中国系の不法移民たちへの仕事の口利きや、警察への仲介などで収入を得ている。
ある日彼は病院で自分が末期ガンであり、余命二ヶ月だと知る。しかしそのことは誰にも告げず、子供たちの為に少しでも金を残そうとしていた。元妻とも再び同居を始め、彼は死の準備を整えようとするのだが…。
バルセロナの闇社会で生きる男が残り少ない命をかけて、子供たちのために奮起する姿を描く人間ドラマ。”
というストーリー。
私の好きな俳優、ハビエル・バルデムが主演。
私はこの映画を観ていて、五木寛之が昔その著書の中で書いていた“人生は苦しみと絶望の連続である”という言葉を思い出しました。
“その地獄の中でほんの少し差し込む一条の光が幸せなのだ”と。
究極のマイナス思考から発するその言葉は、共感できるかどうかすらわからんままに私の心に残っていました。
…はたしてウスバルはその生の中で幸せを感じることが出来たんでしょうか。
物語の中ではほとんど救いがなく、彼のほぼ全ての行動は無残にも悪い結果へと繋がっていきます。
だからといって最後のシーンが陰鬱とした雰囲気で満たされているかと言うとそうではなく。
どちらかというと、ホッと安堵したような爽やかな空気が流れていたのは、彼が最期の瞬間にその一条の光を感じることが出来たからでしょう。
その光を与えたのは子供達であり、父であり、そして彼自身の人生なんやろな。
苦しみを味わい続けながらも一生懸命生き、死の瞬間に僅かに安らげるという人生は幸せなのか、不幸せなのか。
…そして私は子供達に何かを残してあげられるんでしょうか。
父と子の繋がりを感じ、そして物語を自分に置き換えてしまう、なんともヘビーな内容の映画でした。面白いっというよりも考えさせられるという感じです。
ちなみに…
①主役のハビエル・バルデム、いい演技してます、凄い。
②物語が展開するのは華やかなバルセロナではなく、ラバルと呼ばれる貧しい移民や外国人が暮らす無国籍な地域。もう一つのバルセロナ。その背景を読み解くのも勉強になります。
③タイトルの綴りが何故間違っているかは映画を観てのお楽しみ。泣いてまいます。
<勝手に採点デム:8.5>