大好きなラフロイグを列挙します。
ラフロイグ10年(43度、750ml) Laphroaig
ラフロイグとは、”広い湾の美しい窪地”の意。蒸溜所は1815年、ドナルドとアレックスのジョンストン兄弟によって、アイラ島南部の浜辺に建設された。かつては、アライド・ディスティラリーズ社の系列にあった。初代オーナーのドナルドは、1847年に発酵槽に転落して2日後に亡くなったという。1954年ベッシー・ウィリアムソンが当時の経営者イアン・ハンターから相続するまで、ジョンストン一族の中で維持されてきた。この時、ミス・ウィリアムソンは数年に渡って仕事に携わってきたこの会社の秘書であり、1972年にマネージング・ディレクターから退くまでスコッチ・ウィスキー産業で最も尊称される人物だった。1962~1967年にかけてミス・ウィリアムソンはラフロイグをシーガー・エヴァンス・グループ傘下のロング・ジョン・ディスティラーズ社に売却した。1994年にアライド・ドメック社の傘下となり、運営はアライド・ディスティラーズ社が担うこととなった。2005年7月26日、ペルノー・リカール社とフォーチュン・ブランズ社によるアライド・ドメック社の買収によって、蒸溜所の所有権はフォーチュン・ブランズ社が取得することとなった。
近くで採掘されるピート炭は、夏期、涼しい海風で乾燥させる。これを燃やして大麦麦芽を乾燥させるため、モルトには海の匂いがしみ込む。発酵漕はステンレス製が6基。ポットスチルはストレート・ヘッドとランタン・ヘッドの2タイプがあり、初溜釜3基、再溜釜4基の合わせて7基。1923年に2基あった蒸留器は4基に増設され、1968~1969年の間に6基、1974年に7基に増設された。仕込用水はサーネイグ・バーンという小川の水を利用している。熟成にはバーボン樽を使用。年間生産量は220万リットルである。
蒸溜所は、小さな湾に位置し、カワウソ、白鳥、鷺が多く生息。歴史を通して海に大きく影響されてきた。現在のラフロイグ蒸溜所が占める敷地の一部は、昔のアーデニスル蒸溜所(1837~1848)のものである。
ボディは厚く、バランスが非常によく、特有のピート風味があり、まろやかで非常にドライなフィニッシュ。後味に強い印象を残す。薬品臭い、口内消毒液、タールの様という鑑定家もいて、好き嫌いがはっきり別れるモルトウィスキーである。ピーティで海藻の香りがありアイラ・モルトの特徴をよく表わしているが、慣れない人は飲みにくいかも知れない。
ラフロイグ10年は、力強いスモーキー・フレーバーが特徴。爽快なピート香が海藻を思わせ、潮の香りが渾然一体となっている。辛口でオイリーな味わい。濃い黄金色のミディアム・ボディー。
Laphroaig Distillery、イギリス
ラフロイグ10年 カスク・ストレングス(57。3度、700ml) Laphroaig Cask Strength
ラフロイグのオフィシャルボトル。カスク・ストレングスで瓶詰めされた10年物。
黄金の輝きを持つ琥珀色。香りはビッグでフルボディ、パワフルで濃厚な焦げたヘザーの様なキャラクター、オゾン~浜に打ち上げられた海藻の、薬品の特徴と仄かにリッチなところが僅かにある。フレーバーは、滑らかでビッグなボディ。噛み応えのある土臭さを伴う、スモーキーでドライ、しかも少しばかりはリッチなところがある。フィニッシュは長く辛みがある。スモーキーで僅かな噛み応えパワフルで複雑。
ラベルにある'The most richly flavoured of all Scotch Whisky'のコピーも、決して伊達にある訳ではない。
Laphroaig Distillery、イギリス
ラフロイグ15年(43度、750ml) Laphroaig
ラフロイグ15年は、深いスモーキー・フレーバーを持ちながら以外となめらか。シェリー香の甘やかさ、長期熟成による濃厚な味わいがあり、アフター・テイストは温かく心地よい。淡い琥珀色のフル・ボディー。
Laphroaig Distillery、イギリス
ラフロイグ1989年 ハイグローブ・エディション(43度、700ml) Laphroaig Highgrouve Edition
ラフロイグ1989年・ハイグローブ・エディションは、チャールズ皇太子のラフロイグ蒸溜所来訪を記念してボトリングされたシングルカスクのヴィンテージ・モルト。
売り上げの一部は、皇太子主宰のチャリティに供されるという。ハイグローブとは、皇太子のお住まいのある土地の名(ヴィンテージは、1989、1990,1991 がある)。
ラフロイグ蒸溜所の経営母体であるD・ジョンストン社は、1994年、プリンス・オブ・ウエールズたるチャールズ皇太子より御用達の勅許状を賜った。その後、同蒸溜所は、ロード・オブ・ジ・アイルズとしてのチャールズ皇太子来訪の栄誉に浴した。
Laphroaig Distillery、イギリス
ラフロイグ1976年(43度、750ml) Laphroaig
ラフロイグ1976年は、同蒸溜所オフィシャル初のヴィンテージ品だ。熟成庫に眠る数多くの樽から、熟成の優れたものを厳選してボトリングしたもの。地元スコットランドでは、ラフロイグ30年に匹敵する高い評価を得ている。
淡い琥珀色。パワフルなタールのアロマ。ミディアム~フル・ボディ。厚みがあり、スムース。コールタール石鹸の様で、ドライさと甘やかな香りの強烈な抱擁と言える。フィニッシュは概して長く、暖かさと慰めを与え、心地よい眠気を誘う。
Laphroaig Distillery、イギリス
ラフロイグ30年(43度、700ml) Laphroaig
ラフロイグ30年は、ラベルの'Extremely Rare'が示す通りの究極のモルトの1典型。
1997年11月、123樽のシェリー・バット(樽)からボトリングされたラフロイグ30年は、30年以上も前の事、シェリー産地として知られるスペインのヘレスからこの地にたどり着いた艦船、SS Great Aukの伝説をその身に纏っている。生産量限定品。
深いオレンジ色の色調。ソフトで、上品なオークの香り、バラのような芳香を伴うスモーク香、微かにレモンの香りも。フルボディでクリーミィ。驚くほどにフレッシュで、ローストしたアーモンドの、海草の、野バラの、そしてスモーキーな香味が渾然一体となっている。麝香の様な、ビタースゥイートなフィニッシュは圧巻だ。
まるで波が大理石の壁を洗うが如くの、まろやかでスムースな喉越しにも関わらず、正にラフロイグといわしめるピーティで個性豊かな酒質が究極のバランスを保っている。この至高のモルトは、ラフロイグ蒸溜所でフロアモルティングによって精麦された発芽大麦を使用。アイラ島で採集されたピートで焚き込んだ、伝統的製法を頑なに守って造られた傑作中の傑作。ラベルにある 'The most richly flavoured of all Scotch Whiskies' の表記も承諾するに十分値する。
Laphroaig Distillery、イギリス
ラフロイグ40年(42.4度、700ml) Laphroaig
ラフロイグ40年は、1960年3月14日の蒸留、2001年5月29日の瓶詰、2400本限定のリミテッドエディション。2002年9月のリリース。同蒸留所の貯蔵庫の中でも最も海岸に近い第1貯蔵庫で潮風と波の音を子守唄に41年間の長い眠りについていた原酒は、エンジェルシェアの影響を受け、アルコール度数が42.4%にまで下がっていた。ラベルにはシリアルナンバーと蒸留所マネージャー、イアン・ヘンダーソンの直筆サイン入り。アン・チルフィルタード、ナチュラル・カスク・ストレングス。
Bottle No. 0062
COLOUR:The colour is a warm, bright gold, as it comes from the cask.
NOSE :After forty years in the cask, it is gentle on the nose with a full-bodied sweetness. Seville Orange type aromas can be detected deeper into the nosing glass with the occasional honey type bouquet.
TASTE :With age comes maturity. This unique taste is reminiscent of a sweet liquorice root, with peat and seaweed in the background suggesting its origin from the beautiful hollow by the broad bay. It is surprisingly smooth and gentle on the pallet.
FINISH:The aftertaste is warming, velvety smooth and just seems to go on and on.
追記:Whisky Magazine Issue 19 では、Laphroaig 1960 Vintage Reserve として紹介されている。40yoは、'Outside UK (US,Germany,France,International Duty Free)' 向けらしい。同誌'Whisky news' に拠ると、熟成に使用した樽は、一般的なアメリカン・オーク製のバーボン樽ではなく、ヨーロピアン・オーク樽を使用したとある。ウィスキー業界伝説の人物、ベッシー・ウィリアムソン女史が手がけたシングルモルトウィスキーを手にする栄誉を得たという処か。
Laphroaig Distillery、イギリス
ラフロイグ・クウォーター・カスク(48度、700ml) Laphroaig Quarter Cask
ラフロイグ・クウォーター・カスクは、熟成用の樽でクウォーターサイズ(バットの4分の1、127~159L)仕上げの熟成を行ったダブル・カスク・マチュアードな意欲作。同蒸溜所が主催する ファンクラブ「Freiends of Laphroaig」の会員のみにアナウンス、限定1000本かつ抽選販売という試行で、シングルモルト・ファンの話題を集めた。2005年リリース。
通例の10年物と比べクリーミーで、バニラやハニーな甘味が強い(粘性も高い)。
続いて、ラフロイグ特有の強烈なピートが一気に現れるが、甘やかな風味とのバランスも良。シルキーな喉越し。アフターテイストは、バニラ、ウッディ、ピーティさが折り重なって心地よく、しかも、それが長く続く。アフターのピーティさだが同蒸溜所は、クラシックでフェノール系の“ピート・リーク”という表現を選んだ。
Colour: Autumn Gold
Nose : Slight Peatyness. Smooth, velvety, coconut creamy aroma with water.
Taste : Soft velvet moderates peatyness.
Finish: Creamy, zesty orange
小さな樽を使うと、ウィスキーとオーク材の表面との(ウィスキーの単位量当たりの)接触面積の比率が非常に高くなるので、オーク材の影響がより強く与えられるからだろう。同蒸溜所の実験では、クォーター・カスクを使った場合、標準サイズの樽(バレル)よりさらに30%多く、詰められたウィスキーにオーク材の影響が出たという。
クォーター・カスクは、蒸溜所の第1号の熟成庫(ダンネージ・ウェアハウス)で後熟された。石の壁・土間の床は文字通り、海草が打ち寄せられ折り重なった渚の側にある。朝、熟成庫の中は海霧が漂うのだという。海沿いにある蒸溜所は気候の変化を直接受けるために、原酒が、クォーター・カスクの中で熟成に要する期間が1~2週間長引いたり、短かくなったりしたという。
馬の背に乗せて運ぶために、かつてはクォーター・サイズの樽が用いられたのだが、現在の交通・流通の状況の下、この不経済な樽(バレル)は、急速に使用されなくなり、忘れ去られた。そして、今回、創業者(Donald & Alex Johnston)の偉業を讃える意味も込めて造られたこのシングルモルトは、創業当時の様に、ノン・チルフィルタリングでボトリングされた。
ボトリング時のアルコール度数は、かつて騾馬や駄馬で道無き道を移送された頃の様に(収税官を回避するためだと揶揄する歴史家も居る)、標準より高い48%が選ばれた(最良の度数だと蒸溜所側は主張する)。
□QUARTER CASK
DOUBLE CASK MATURED Bottled at 48%vol. Strength NON-CHILL FILTERD
The most richly flavoured of all Scotch Whiskies
Laphroaig Quarter Cask takes inspiration from the small casks often used for Scotch Whisky in the 19th century and freaquently transported across the Glens by packhorse.
As the industry grew, they feil into disuse – bigger and more cost effective barrels became the norm, for maturation and transportation.
However as single malt lovers may know, the relationship between the barrels and the matureing spirit is critical. We noted that the small cask size gives up to 60% greater contact with the wood compared to some of the larger sizes used today, thus greatly intensifying the maturation process.
It was decided to re-create some of these Quarter Casks and the flavours they produce. We transferred from still matureing Laphroaig from our larger style barrels into the Quarter Casks. There then followed a further period of maturation in our original Dunnage Warehouse No.1.
For greater authenticity we simply barrier filtered the whisky – the method used in those far off days – and bottled at a higher alcoholic strength.
The result surpurised and delighted us. The addtional oak influence creates a soft sweetness and velvety feel when first tested, then the intense peatiness so unique to Laphroaig comes to bursting through. The finish is very long and aiternates between the sweetness and the peat.
We believe that the original found Johonston brothers would recognise this unique expression and thank us for recreating it. We hope you enjoy drinking Quarter Cask as much as we did making it.
Please note Laphroaig Quarter Cask may go cloudy with the addition of water in the glass. This is perfectly nomal when a whisky is non chill-filterd.
Laphroaig Distillery、イギリス
ラフロイグ1990年(59.7度、700ml) Laphroaig
クライスデール・ブランドのラフロイグ蒸溜所、1990年蒸留、1999年瓶詰めの8.5年物。
Distilled October 1990、 Bottled May 1999
From Barrel No. 11702、 Bottle No. 260 of 300
Original Scotch Whisky Co.,Ltd.、イギリス