昨晩は、久し振りに華やか系のシングルモルトで酔い心地な晩飯後のリラックスタイムでした…それは…ユナイテッド・ディスティラーのレアモルトなリンクウッドな宵の口でした!
2010年11月20日10:42
Linkwood リンクウッド
リンクウッド1975年(26年)
56.1度、700ml
オフィシャルボトル、レアモルトシリーズ
スペイサイドらしい、華やかな香りと上品な味わいで知られる銘酒。
明るく淡い黄金色。メローさとフレッシュさ、ビスケットの様な甘い香りと、花の香り。加水すると、クリーンさが際立つ。フレッシュミントの様な清涼感。ボディは、ライトからミディアム。口に含むと、微かなスモーキーさを帯びた甘さから始まる。クレームブリュレ。やがて、シロップの様な甘味に苦味が加わる。そして、グリーンアップルを感じさせる。スムースな舌ざわり。フィニッシュは非常に長く、スパイシーな刺激と、新鮮な洋梨の様な爽やかさの調和。
さて、リンクウッドだが、
蒸溜所が建てられたのは1821年のことで、土地の名家ブラウン家のピーター・ブラウンが創業者。同家はフィンドレーター伯爵の不動産委託人であり、ピーターはエルギン地区の農業改良委員も務めていた。1874年4月10日のエルギン・クーラント紙はリンクウッド蒸溜所の古い建物が取り壊され、新しい、より拡張された建物が建てられると報じている。1887年まで2000ガロンの初溜釜1基と、1850ガロンの再溜釜1基を備え、年間5万ガロンを製造していた。創業から約100年間は同家が経営に携わっていたが、1933年にSMDの傘下に入り、1962年に建て直された。1971年に再び建て直され、蒸溜所の2番目の設備が元の建物に並んで建てられた。現在はUDV社の傘下となっている。
発酵漕はカラ松製が11基。ポットスチルは大型のストレートヘッド型で、初溜釜3基、再溜釜3基の合計6基。年間生産量は260万リットルと知名度が低いわりには大きい。99パーセントがブレンド用で、アボッツ・チョイス等の原酒モルトとして使われている。仕込用水はミルビュイズ湖近くにある泉の水を利用している。
蒸溜所は、エルギンの南を走るA941沿線、ロッシー川の河畔にある。とても絵になる蒸溜所で、白鳥の棲む冷却用水の貯水池があり、その畔に建っている。森林に囲まれており、名前の示す通りの場所である。1945~1963年までマネージャを務めたロデリック・マッケンジーはスピリッツのキャラクターが製造に関わる器具設備の類だけではなく、周囲に存在するあら'る事象に依存していると信じていた。彼はまた、ウィスキーのキャラクターが結果として変わってしまうような場合には蜘蛛の巣であろうと取り除くことは許されないと考えていた。
リンクウッドは、そのほとんどをブレンド用原酒に供給し、シングルモルトとして出回る量はごくわずか。しかし、その華やかな飲み心地は是非シングルモルトで飲みたい上質なウィスキーである。かつては、ジョン・マッキーワン社からリンクウッドのオフィシャル12年物が出ていたが、現在は入手困難。幸い、ボトラーからは数多くリリースされているので、その味わいを楽しもう。
リンクウッド12年(43度、700ml) Linkwood
リンクウッド12年は、UD社当時に発売された「花と動物シリーズ」を構成する品。軽い華やかな香り、まろやかで飲みやすいボディ。昔から「入手できる最上のモルトのひとつ」と言われてきた。
Linkwood Distillery、イギリス
リンクウッド1964年(40度、750ml) Linkwood
リンクウッド1964年は、ゴードン&マクファイル社のボトル。
色は非常に濃い琥珀色。香りはカラメルのように実にスイートなシェリー香。味わいは、くどいくらいにスイートでややスモーキー。どことなくゴムっぽい風味でもある。フィニッシュは、典型的なシェリー樽熟成の風味。
Gordon & Macphail、イギリス
リンクウッドは元より淡麗なので、最初は化粧無しのカスクを飲み続ける。
継ぎは、バースデーモルトな、濃いシェリー樽のボトルを飲み続ける。
さあ、〆は何かな?
お次は…
(o^-')b