先日ウイスキープロフェッショナルが余市蒸留所の見学に行かれた際に、お願いしてシングルカスクの余市原酒セットを買って来て頂いた上にお店まで持って来て下さいました。ありがとうございます!
※ビギナーの方の為に・・・シングルモルトとは単一蒸留所の事、単一蒸留所のモルト原酒の事を指しています。普通シングルモルトはその蒸留所のA樽B樽C樽等複数の樽をヴァッティング(混ぜる事です)させてブレンダーが責任を持って味を調えています。その為にオフィシャルボトル(蒸留所が発売しているボトルです)は味が均等になって何本も同じ味のボトルを供給できるのです。またシングルカスクとは単一蒸留所の単一の樽、すなわちA樽だけで作ったモルトウイスキーの事で、B樽C樽等とはヴァッティングさせていません。その為に造られる本数と言うのが限られてくる訳です。樽の大きさや熟成年数にもよりますがシングルカスクとしてボトリングされるのは大体200~300本位が多いようです。
さぁ早速そのシングルカスクの余市原酒をご紹介して参りたいと思います。
シングルカスク余市10年(10年貯蔵熟成)64%・・・樽香豊かに華やかさで甘酸っぱく、エレガントな味わい。「新樽使用」
ピーティー&ソルティ(12年貯蔵熟成)54%ー・・・潮の香豊かに広がる、ピートの豊かな個性とオレンジ様の甘酸っぱさ、ややオイリーでソルティーな味わい。「リメードバーボン樽使用」
シェリー&スイート(12年貯蔵熟成)57%・・・シェリー系の甘酸っぱさの味わい豊か、レーズン、カカオ風味の香ばしさ、スイートでビターなこくと切れ。「シェリー樽使用」
ウッディ&バニリック(12年貯蔵熟成)63%・・・樽香豊かな熟成、バニラの甘さとカカオの風味、タンニンのビターさの調和と個性豊かな味わい。「新樽使用」
フルーティ&リッチ(12年貯蔵熟成)60%・・・フルーティな味わい豊か、メロン、バナナ様の甘酸っぱさとクリーミーな口当たり、リッチでスムーズ。「活性樽使用」※活性樽・・・(一度熟成に使用した新樽の内面を再度焦がした樽)
ソフト&ドライ(12年貯蔵熟成)58%・・・フローラルな香り立ち、シルキーでドライな味わい軽くスムーズでタンニンのコク、セミスイートでドライな切れ。「活性樽使用」
蒸留所は目的に応じて樽を造り分けているのです。それらの樽をブレンダーがヴァッティングさせる事によってオフィシャルのシングルモルトが完成する訳です。
余市蒸留所で言うならばこれらの原酒をブレンダーが巧みにヴァッティングさせてジャパニーズシングルモルト”余市”が完成するのです。う~んブレンダーの仕事はすごい重要なんだなぁ・・・消費者に安定したモルトを供給してくれる素晴らしいお仕事ですね。ありがたや~ありがたや~。
これらの原酒は全種類ワンショット1000円でハーフショットは500円です。また全種類を少しずつ楽しみたい方や、オリジナル余市12年を造ってみたいという方の為に12年の原酒5種類をハーフショットでセットにした”オリジナル余市を造ろうセット”を2000円でご提供致します。また12年原酒5種類+10年原酒セットはハーフで2500円でご提供致します。
皆様もこれらの原酒をヴァッティングさせて”オリジナル余市12年”を造ってみてはいかがでしょうか?とっても面白いと思います。僕も早速造ってみました。12年原酒5種類を全てヴァッティングさせるとアルコール度数は58・4%になります。
レシピは勿論違うと思いますし原酒なので、余市12年と比較すると色は若干濃くなりました。58・4%の割には思っていた程アルコールは立って来ません。バッティングさせてすぐは少しのパフュームを感じ取れたのですが時間の経過と共にそれはなくなって、ウッディ、バニラ、ピート等いろんなアロマやテイストが複雑に出てきました。口当りは穏やかにスイートなテイストですが、フィニッシュにかけてはピート、ヨードが感じ取れてドライかつスパイシーな長いフィニッシュになりました。
しばらく時間を置いてもう一度テイスティングしてみると落ち着いた感じで甘いアロマは無くなったようで飲んだ時の甘さも穏やかになりました。アロマも穏やかな甘さよりも奥に若干のドライなヨード香があって全体的にはきゅうり、メロンの皮みたいなフルーツ様が感じ取れます。香りを深く確かめると消毒用のアルコール?のようなアロマも確認できる。全部同じ分量にしたのですが、ピーティ&ソルティの比率が高いのか普通の余市12年と比較するとドライな感じが強いです。
加水するとおぉ~!不思議~っ!ピート感やヨードがほぼ無くなってめちゃくちゃフルーティ。これは本当に驚きました!ごく微量のピートを感じ取れる位のフィニッシュでスパイシーさは無くなって穏やかな甘さ、フルーティで切れの良いフィニッシュになりました。
一つ一つ各々の個性がある原酒がヴァッティングされる事により奏でられるモルトのハーモニー♪う~んこれは不思議だぁ。これがモルトの面白さなんですねぇ。それにしても自分でやってみるとヴァッティングする難しさがわかるなぁ・・・。本当にいろんな個性が混ざりあって出てくる複雑な香りや味が楽しめます。
LET”S MAKE オリジナル余市12年!
#新入荷ボトル