店を始めてから僕は店ではカッターシャツと蝶ネクタイというスタイルで営業してきました。しかし、お客様に「ベスト着いひんのぉ~。」「ベスト着た方が絶対いいって!」とひたすら言われ続けてきました。それ以来ずっと考えてはいたもののなかなかベストを買いに行く事ができませんでした・・・。
心機一転しようとカッコいいベストを探しに出かけました。しかぁ~しどこを探してもバーテンダーの仕事に合うような感じのベストはありませんでした・・・。某大手洋服屋に行って聞いてみると・・・「そのような物は取り扱っておりません・・・。」はぁ・・・そうですか・・・何軒回っただろう・・・どこに行っても同じ答えばかり・・・「ミナミかどこか行かれたらあるかも知れませんねぇ」う~んミナミですか・・・。
諦めてまた次の機会にしようと店に帰り文の里商店街で買出しをしていましたが、どうしても気になる・・・ベストが欲しい・・・一旦決めたらその事しか頭に入らなくなる単細胞動物なので(笑)買出しをしたビニール袋を抱えたまま文の里商店街の服屋さんをひたすら聞いて回った。
「ベストが欲しいんですけど・・・」すると「うっとこは置いてへんわぁ」との答えばかり・・・そらそうだ・・・無くて当然やなぁ・・・そう思いながらも、ひたすら聞いて回った・・・最後はやけになって呉服屋さんの女将さんに聞いてみた「あのぉベスト欲しいんですけど・・・置いてますか?」すると「うっとこは呉服屋屋ですから置いてませんよ」はぁ~・・・呉服屋にベストは普通ありませんよね・・・無理やりでしたね・・・すいません・・・そのまますごすごと帰ろうとすると女将さんが「お兄ちゃん!」はい?なんでっしゃろ・・・「その道挟んで3件隣の紳士服屋さんに聞いてみたら?あるかも知れへんよ。」お?!一抹の望みが「ほんまですかぁ・・・一回聞いてみますわ。おおきに」早速その紳士服屋に・・・ってこの紳士服屋うっとこの店から一番近い徒歩1分未満やん!そう思いながらも半ば諦めてそこへ向かった。
その老紳士が一人で営んでいるどこか懐かしい紳士服屋に・・・「うわぁ・・・品揃えが少ないぞ(失礼)・・・これはあかんわぁ・・・」そう思いながらわらをも掴む気持ちで「あのぉベストありますか?」老紳士は「ありまっせぇ」お?!ほんまですか?「どんなんか見せてもらえます?」すると出てくるわ出てくるわオジンくさいベストが色々(めっちゃ失礼)・・・「すんません・・・僕が探してるのは黒い感じのバーテンダーが着るようなベストなんですよ・・・」老紳士「黒いベストは基本的にありまへんで。バーテンダーが着とるのんは別にこしらえてんねん」はぁ・・・やっぱりミナミに行かなあかんか・・・そう思いながら「おおきに」帰ろうとすると老紳士が「黒いベストでっか・・・ほんならこんなんはどないでっか?」え?黒いベストがあるんですか?「スーツの中についてるセットの奴やねんけど」おぉ~5万円!そんなスーツはいりませんねんけど・・・「ベストだけばらしてたるわ」おぉ~ほんまですかぁ~ってナンボでっしゃろ?「そやなぁ兄ちゃんの為に格安にしといたるわ」う~ん1万位ですか?すると指を3本立てている・・・さ・さ・3万・・・「3万はちょっと厳しいですわ・・・」すると老紳士「ははは3千円ですわ」えぇほんまですかぁ~!ラッキー「おおきに!」笑顔で店に帰りました。
早速着てみると・・・う~んなかなかしっくり来るぞ!いい買い物をしたなぁ。ウイスキーエキスパートピンバッジとSMWS、スコ文研のピンバッジをつけて完了!
下町の商店街で老紳士のご厚意による下町パワーの入った下町バーテンダーの為のベスト。
下町バーテンダー用ベスト(笑)似合ってますか?