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ザ・職人

 僕の昭和町での兄貴、生駒寿司の若旦那「豊さん」。若旦那と言ったら呉服屋の人みたいやんけ!と怒るけど(笑)今までの記事に何回もそう書いてるんやさかいにもうよろしょうまんがな!若旦那で(笑)

 その昭和町での兄貴の豊さんにはいつも色々助けてもらっている。本当に優しい兄貴だ。でもあんまり褒めたら兄貴は首を横に振るけどほんまに尊敬してまっせ!事務作業がてんこ盛り盛り(笑)に溜まりに溜まってるのにこんな明け方に記事を書いているかと言うとさっきまで話していた事をどうしても書きたくてまた僕の思いを書きたかったからなのだと思う。

 普段の仕事前に会うと普通のお兄さん。しょっちゅう飲みに来てくれる(チェック済ました後にまた飲むから週8くらいのペース(笑)お酒が入ると陽気に楽しくいつも他愛のない話をしている。僕となら女の話が多いかな(笑)(真面目な話でやらしい話ではあまりありませんよ(笑)常に向上心を持っている人だと言うのを垣間見る事が出来る。「俺は日本酒やったらわかるけどウイスキーはわからへんねんなぁ。教ぇてや!」と僕に色々とモルトについて質問をしてきてくれる。僕も自分のわかる事ならなんでも答える。やはり今までの職人人生の中でいろんな物を食してきたキャリアは半端でない。少しのアルコールが入っていてもその嗅覚と味覚には度々驚かされる。「俺は美味しかったらそれでええねん!」と言ってはいるが、スペイサイドなどの比較的穏やかな銘柄で極端な差異が無い物でも的確な味の感想をずばりと言い当てる。本人はどの銘柄を飲んだか名前を記憶していないが「これは前飲んだんに比べたらちょっと甘いなぁ」とか感想を言ってくれる。名前なんかわからなくとも舌が覚えてしまうのだろう。僕なんかより優れた嗅覚と味覚を持ち合わせている事だけは確かで毎回逆に勉強させてもらっている。

 いつも陽気にビールを飲んで勉強がてらにモルトを嗜む豊さんだが、僕が寿司や魚の事を聞いたりすると、陽気な若旦那の顔が真剣なそれに変わり、話に聞き入ってしまって僕も真剣な顔になってしまう時がある。それは寿司や魚の話。兄貴のこだわりは半端でない。魚をさばいた事のない僕にはわからないがやはり包丁は職人の魂なんだと言う。用途に応じて使い分けるいくつもの包丁を毎日かなりの時間を要して研いでいるのだと言う。包丁を入れて手前に引いて切る事はなく、力を入れなくともまっすぐに下ろすだけで切れなければいけないのだと言う。切れ味の悪い包丁は包丁にあらずと言う事なのだろう。青魚においては身の角が立っていなければ納得がいかないのだと言う。その魚を食する事無くとも目で見るだけで大体の事を把握し、さばき方までわかるのだと言う。すごい!まさに職人魂だ!味覚が鋭いだけではない本当の職人である。

 そんな豊兄貴に公私共に支えられ勉強させて頂いて刺激を受けている。僕もモルト職人になれる日がやってくるのだろうか・・・。僕も豊兄貴を見習って精進せねばならぬ!

 そんな豊兄貴の嫁さん募集中!(豊さんいらん事書くなって怒らんといてぇや(笑)

#日々の出来事

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