今日は若旦那の予言通り、いつもより活況だった猫バーの店主参段です。う~ん・・・若旦那の予言はすごいなぁ。
とここでまた先日のお話の続きを・・・高校を卒業した僕は猛反対されたボクシングジムに入門し、彼女は銀行員として働き始めました。高校を卒業してからしばらくは自宅の高槻市から大阪市内のボクシングジムに通っていたのですが、その後訳あって、実家を離れ一人暮らしをするようになりました。その一人暮らしの部屋に彼女が転がり込んで自然と一緒に住むようになっていました。
一人暮らしをすると言ってもアルバイトで溜めたなけなしのお金をはたいて借りた家賃3万円の部屋。東京オリンピックの年に建てられたという古いマンション。風呂はついてはいたもののそれはとても古く、畳の和室4・5畳、申し訳程度の台所がついた部屋。雨の日は家中にバケツが並んだ・・・そんな部屋で僕らは籍を入れてはいなかったものの、新婚生活となんら代わりのない、まるでままごとのような暮らしが始まったのです。
お金はなかったけど、二人の暮らしは穏やかな愛と笑顔に包まれて夢と希望だけが有り余るようにあった。それだけで二人は幸せなはずでした。家に帰ると彼女の作った手料理が並んで、振り返るとすぐそばに彼女の笑顔があった。あぁ幸せだなぁ・・・そう感じていたものの、いつの日かそれが当たり前になっていたのかも知れません・・・。
いざ一緒に暮らしてみると、彼女は銀行員で朝早くから、残業のある日は夜が遅くなる日も多く、僕はボクシングの練習の為に朝はロードワーク、昼はアルバイト、夜はジム通い・・・ボクシングの為に職も転々としました。一緒に暮らす事も始めは楽しかった。しかし、時が経つにつれ二人は生活も考え方も価値観さえもすれ違っていった。愛を育む事もままならず、単なる同居人になっていたのかも知れません・・・。
好きで好きで仕方なかった彼女の事。ずっと一緒に居ると求心力が高まるとばかり思っていました。しかし、現実には遠心力が高まっていくだけでした・・・。それでも二人の暮らしはそれからしばらく続きました。
その4へと続く・・・
#日々の出来事