連日アイラ、カリラです。
●アルコール度数55.9%
●蒸溜年:Apr.-1992
●ボトリング年:Jun.-2010
●ボトリング本数:269本
●コメント: せり上がり、砕け散るフレーバーの波
心くすぐる香りは、穏やかな香りの香水、
アイスクリームの中の砂糖漬けのアンジェリカ、レモンとライム。
その反面としてコールタール石鹸、ジャーモリーン(消毒軟膏)、
スモーク、海水も香る。せり上がり、砕け散るフレーバーの波は、
味覚の方に強くあらわれる。
スモーク、タール、甘草のキャンディーの詰め合わせ、ポップコーンの殻、
フィッシャーマンズ フレンズ、さらに、レモン、ミント、
干草が多少加わり、甘めのあと味(糖衣のかかったフェンネルシード)で
締めくくる。加水後の香りは、シャンプーや靴磨き、
渋い樹皮のアロマと結びつき、さらに柑橘系の鋭さが増す。
加水後の味は、革・乾いた草・カンゾウ味のジェリービーンズ、
そして、甘く軽いスモークの螺旋が終わりなく続く。
アイラ島最大の蒸溜所からの出品。
カラー-樹皮をむいた小枝 カスク-リフィル ホグスヘッド
■ソサエティ日本支部の一言
【砂浜の焚き火を海水で火を消したよう。全体にバナナが漂う】
これは旨いカリラです。
バナナは感じないけど・・・(;一_一)
ストレートで、カリラ特有の甘さとスモーキーさ(^_^)/
オフィシャルコメントは何でも書けばいいというぐらいですが、
ボキャ貧の身としては、『旨い』だけです。
カリラは大好きです。
母親から貰いもののおすそ分け
紀州のサンマの丸干し
『サンマは目黒に限る』は房総沖の油の乗ったサンマですが、
紀州のサンマは油の落ちたパサパサのサンマ。
その丸干しが旨いのです。
サンマは、根室沖から三陸沖、房総沖と南下して、
紀州沖に至ります。
三陸から房総沖が油がのって旨いのですが、
紀州では油がおちてパサパサになります。
油が落ちているため、すがたずしにできるのですが、
このパサパササンマの丸干しが絶品なのです。
鬼嫁様など、オラと結婚するまでこの旨さを知らなかったので、
目黒のサンマが最高だと思ってたのですが、
今では紀州のサンマの大ファンです。
母親の出身は三重の熊野です。
和歌山の『熊野』の方は三重は端っこといわれますが、
まあ「紀州熊野」の一部。
秋風よ
情〔こころ〕あらば伝へてよ
――男ありて
今日の夕餉〔ゆふげ〕に ひとり
さんまを食〔くら〕ひて
思ひにふける と。
さんま、さんま
そが上に青き蜜柑の酸〔す〕をしたたらせて
さんまを食ふはその男がふる里のならひなり。
そのならひをあやしみてなつかしみて女は
いくたびか青き蜜柑をもぎて夕餉にむかひけむ。
あはれ、人に捨てられんとする人妻と
妻にそむかれたる男と食卓にむかへば、
愛うすき父を持ちし女の児〔こ〕は
小さき箸〔はし〕をあやつりなやみつつ
父ならぬ男にさんまの腸〔はら〕をくれむと言ふにあらずや。
あはれ
秋風よ
汝〔なれ〕こそは見つらめ
世のつねならぬかの団欒〔まどゐ〕を。
いかに
秋風よ
いとせめて
証〔あかし〕せよ かの一ときの団欒ゆめに非〔あら〕ずと。
あはれ
秋風よ
情あらば伝へてよ、
夫を失はざりし妻と
父を失はざりし幼児〔おさなご〕とに伝へてよ
――男ありて
今日の夕餉に ひとり
さんまを食ひて
涙をながす と。
さんま、さんま
さんま苦いか塩つぱいか。
そが上に熱き涙をしたたらせて
さんまを食ふはいづこの里のならひぞや。
あはれ
げにそは問はまほしくをかし。
佐藤春夫
ほとんどの方はこのさんまを『目黒のさんま』と思われてますが、
佐藤春夫は紀州新宮の出身なので、
このさんまは、紀州のパサパササンマだとオラは思ってます。
#カリラ