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【STAFF TASTING by NAKATSUKA 香の森】

 

お世話になっております。

信濃屋新宿店の仲塚でございます。

 

前回の投稿から大分時間が空いての投稿
になりますが、どうぞよろしくお願いします。

 

さて今回は、前回までの様に趣味全開(?)の
コラムではなく、ここ最近リリースされた、
あの養命酒製造によるクラフトジン、
「香の森」の紹介をさせて頂きます。

 

 

養命酒製造 クラフトジン 香の森

価格 : 4,500 円(税込 4,860 円)

 

養命酒そのものにも使われる
日本固有の高級香木である「クロモジ」
木を、葉から枝までふんだんに用いた
まさに養命酒製造による養命酒ジンです。


 

海外の蒸留所での実地研修を経て、
黒文字(生薬では烏樟
うしょうと呼ばれる)
の部位ごとにそれぞれ違う蒸留・抽出方法を取る必要があると気づく。


葉はベーススピリッツに漬け込み


細枝はヴェイパーインフュージョンで、

太枝は、蒸留の際にスチルの中で煮出しています

 


 

近年、国内外のメーカーから多くのクラフトジンが出てきましたが、
国内薬草酒で有名な、養命酒製造も参戦。

ジン自体は元々修道院などを筆頭に欧州で
薬酒として作られたものですが、
まさか(勿論いい意味で、ですが)身近に知る養命酒製造から
このようなリリースがあると
予想していた人は、そういないのではないでしょうか?

 

では前置きはこのくらいにして、
早速テイスティングに移ります!

 

★テイスティング★

生木、切りたての木の断面、
青みがかった若木の枝葉、ハーブ、

木工室や作業場の様な木屑のニュアンスに、
ややスパイスの香りが添えられている。

口に含むと、味わいは透明感がありクリアで、
前述した香りがそのままストレートに伝わり、
クロモジの木を、葉から枝、断面に至るまで、

香りの要素を淡い黄緑から濃い緑、木質感のある茶色まで
グラデーションを伴い立体的に感じられる。

 

説明としては、森を感じられる、
と言ったような印象でしたが、
実際飲んでみた感想としては、
「森の中の一本の木を呑む様な」
ジンだと感じました。


 

ジンの場合は、特にウィスキーやブランデー
といったブラウンスピリッツとは異なり、
木樽による熟成を必要としないという点で
原料・ボタニカルのニュアンスがそのままに
香味に反映される事が多いです。

 

そういう意味で、
ボタニカルのニュアンスが素直に反映され表現されている
仕上がりだと思いますね。

 

 

また、個人的な意見になりますが、
特にジンの場合においては、以下の4つの観点

少し意識して飲むようにすると、特徴を捉えやすい、
またジン同士の区別をつけやすいのではないか、と考えています。

 

 

①ベースとなる、もしくは、添加される
穀類や果実といった原料の特徴がでているかどうか
(特に果実の場合は特徴がわかりやすく出てくる。穀物の場合は余韻・質感に違いが出る。)

 

②蒸留による、アルコールの質感が均一かどうか。
(ミドルカットしており、アルコールのざらつきが少なく、クリアに感じられる)

 

③ボタニカルの要素がよく反映されているか

(香りの要素が感じ取りやすい、または1,2種類の核となる
ボタニカルの要素が突出している)

 

④全体のバランスが取れているかどうか

(ボタニカルが多く使われている場合、調和が取れていて、香味が複雑に感じられるか。
またはボタニカルの種類を少なくし、クリアに感じられる場合もある)

 

 

 

因みにこれらの事を踏まえて飲むと、
香の森は特に②と③の要素が強いジンですね。

森、もっと正確に言うと、クロモジそのもののニュアンスでしょうか、
ハーブ、スパイスといったほかの構成要素に対して、
森に生えている生きた木のような、青々とした木質系の香りが突き抜けています。

また、水が影響しているのか、アルコールの質感が比較的均一に感じられるので、
お酒としての味わい自体はクリアにも感じられます。

そして余韻にかけては、生薬のプロであることを感じさせるような
乾いた心地よい苦みが続いて、爽快感と合わさり、ドライな印象を造りあげています。

 

飲み方としては、特にストレートやロックに向いたジンとも言えますし、
木質系のアロマを生かした工夫を凝らし、カクテルにするのも良いかもしれません。

 

実際に、オフィシャルのHPで紹介されていたカクテルが2種類ありましたが、
(森のジンリッキー、森のミルクセーキ)
2種類どちらもシナモンを使ったレシピになっていました。

シナモンは、木の皮系のスパイスですので、相性が良いという事なのでしょうか。

 

少し気になったので、実際に
森のジンリッキーを作ってみました。

 

・森のジンリッキーレシピ

香の森 30ml

ソーダ 90ml

ライム 1/6カット

シナモンスティック

 

*一応レシピは上記のものになりますが、
ライム等やや分量変えて作ってます。

 

 

感想としては、炭酸が加わったことで、
より爽やかで、かつクロモジの香味が感じられますね。

 

最初にクロモジの木の香りが炭酸、ライムと共に
爽快に突き抜け、余韻にシナモンの香りが来る、
といった構成でしょうか。

呑み進めるにつれて、シナモンスティックがより浸かり、
それによるものか、口当たりのところからシナモンを強く感じ始めます。

 

やや蒸した夏の日なんか良さそうですね。特に森で呑めたら、と思う一杯です。

もっと、爽やかさが欲しかったらシナモンスティックの代わりに
スペアミント、またはイエルバブエナの葉を
乗せてみてもいいかもしれませんね。

蒸し暑い、日本の夏にはピッタリの一杯では、と思います。

段々、というか急に暖かくなりつつある今日この頃、
こういうのを呑むのも良いですね!

それでは今回はこの辺りで。
以上、仲塚がお送りしました!
 

 

 

 

 

 

 

 

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