ラムやコニャック、
そしてシガーやパイプを愛する20代新卒社員。
仲塚君(現在は新宿店勤務中…)
そんな彼のちょっとマニアックな視点を
覗いてみようという、
ややエクスペリメンタルで、マニアックなコラム。
是非、御覧下さい。
文
by(あ)こと、秋本
どうもお世話になっております。
信濃屋の仲塚と申します。
今回は、ネット店の(あ)さんこと秋本さんと店の裏で少し飲んでいた時のこと、
「お酒について何か書いてみない?」との事で、こちらの記事作成についてオファー頂きました。
ただ単純に、思いついたことを書いてみるのも良いなぁと思いまして、
この場で記事を書かせていただくことになりました次第でございます。
しがない一店員の、偏見の混ざった独り言ではございますが、
皆さんどうぞお付き合い下さりますれば幸いです。
…と、挨拶はこれくらいにしておいて、早速本題に移らせて頂きたいと思います。
テーマについては結構趣味全開でいいよ、との事お言葉頂きましたでしたので、
今回は私の趣味?の煙草(特に葉巻やパイプを嗜む程度ではございますが)の話も交えつつ、特に今回は葉巻とラムの話でも呑みながら出来ればなぁと思っておりました。
しかし、残念ながら夏も終わり、温度、湿度共に下がり個人での葉巻の管理がやや難しくなってくるこの頃…。
最近特に補充も無く、生憎と手持ちのストックが丁度切れてしまっておりましたので、その話はまた別の機会にでもしようかと思います。
そこで、葉巻以外で何か面白そうな事が出来ないかな、と思っていた所、目に留まったのは家の棚に置いてある最近少しずつ集め出した数種類のグラス。
そして葉巻と合わせてみようとサンプル瓶に詰めてきた
新宿店の試飲の残りのシャマレルVSOP(笑)。
よし!取り敢えずシャマレルを色んなグラスで飲んでみよう!
そこで第一回目のテーマは、「シャマレルVSOPとグラスについて」ということで
複数のグラスで飲み分けをしてみたいと思います。
まずはグラスから立ち昇る香りというものを複数のグラスで使い分けてみる事で、
香りがどのように違って感じられるかを試してみます。
これによって最終的にはお酒のタイプ(熟成年数、使用した樽、加水かどうか、ボディの厚み等)によって自分の好きな香り、または蒸溜所の個性を引き出すようなグラス選びが出来たら面白いのではないか、と思ったわけです。
ただ興味本位でやってみることではありますが、これが出来たら飲み方の幅が一気に広がりそうですよね!
私は元々基本的にウィスキー等のお酒を家で飲む場合、2種類以上のグラスを用意する事がままあったのですが、香りの質が違って感じられる事がよくありましたので、もっとたくさん使ってみたら新しい発見があるかもしれません。
そんな訳で、今回は比べてみたら面白そうなものを、スタンダードテイスティンググラスとは別に4つ程使ってみたいと思います。
では実際にやってみます。
今回使うグラスはこちらの5種類になります。
①手前左 スタンダードテイスティンググラス
②手前中央 リーデルヴィノム シングルモルト
③右奥 リーデルヴィノムコニャック
④左奥 頂き物のスピリッツ用グラス(口が良く開いている)
⑤手前右 エリクサーディスティラーズ 1920'sブレンダーズグラス
(④以外は一部信濃屋の実店舗で販売しております。
エリクサーのグラスは在庫分限りとなります。ご注意を!)
*ここからは便宜上、上記の番号で示していくことにします。
また、今回テイスティングするのは、元々葉巻用に用意していたシャマレルVSOP。
https://www.shinanoya-tokyo.jp/shopdetail/000000004441
シャマレル VSOP(4年) (直輸入)
当店希望小売価格(税抜き) : 3,990円
価格 : 3,720 円(税込 4,017 円)
今や絶滅してしまったとみられている鳥、モーリシャス・ドードーの生息地であった島の1つ、モーリシャス島で作られているアグリコールラムになります。
これはその中でも、フレンチオーク樽で最低4年以上寝かせたもののブレンドになります。
以前飲んだ時はアグリコールラムとしては癖が無く、香り、味わい共に綺麗なタイプのラムだったと思います(当時棚に飲み比べたものにペールラバもあったのであまりあてにはなりませんが笑)。
*因みに今回のシャマレル、状態としては残量2~3割かつ一年程前に開栓したものなので、開栓直後とは風味が異なる可能性があります。
では早速テイスティングに移ります。
①スタンダードテイスティンググラスの場合
香り:蜂蜜、リンゴのようなエステル様の香り、バニラ、紅茶
味わい:口当たりやや甘やか、少し酸を感じる、リンゴ、ほんの少しの糖蜜、余韻は途中で抜けつつもその後長めに続き、僅かにブラウンシュガー、カラメル様の甘みが口内に残る
樽の影響でしょうか、何というか、ラムというよりブランデーに近い様な味わいも感じられたように思います。
確かにこの価格帯のアグリコールラムとしては綺麗にまとまっており、大分飲みやすい部類の方に入るのではないでしょうか?
もし葉巻を合わせるなら、同様にフルーティに振れたものにするか、味わいが軽めのものが良さそうです。次回こそ合わせてみたいものですね!
ここからはそれぞれのグラスでのテイスティングについて、比較していきます。
結果としてはこのように感じられました。
②シングルモルトグラスの場合
香り:①に比べて全体的に香りが淡く、軽快に感じられる。特に蜂蜜の様な香りは土っぽい成分が抜けたのかもう少し上質に感じられた。
味わい:①に比べ軽快な口当たり。
③コニャックグラスの場合
香り:①と②の中間ぐらい、②に比べて、蜜っぽさにノリがあり、糖蜜様の香りもやや感じられた。またフルーティな香り②より少し強く感じられた。
味わい:①に比べて甘みが少し強かった様に感じられた。
④頂き物のグラス(口が広いもの)
香り:①に比べて香りが立たず、取り辛い。時間が経って、やや重めの蜜っぽさと、樽の様な木質系の香りが取れた。
味わい:①と比べて始めに来る甘さが抑えられている様に感じた
⑤1920'sブレンダーズグラス
香り:①に比べてアルコールの刺激が強めに鼻腔を抜けて来る、エステル、フルーツ感が強め、加水でアルコール感が弱まり、フルーティな甘い香りが強めに感じた。
味わい:①と同じように、甘みあり、やや酸も感じる。
大分主観が入っているかと思いますが、
一応結果としてはこのような形になりました。
面白かったのは、どのグラスとして香り、味わいについて、
どちらも同一と取れるようなものがなかったと感じられた事です。
やはりグラスの形状によって立ち昇りやすい香りの要素が異なるのでしょうか、
これは今後も試してみたいですね!
今回のテイスティングでは、個人的にはコニャックグラスが甘やかな香りの要素を上手く引き出しているように感じられ、好印象でした。
ただ他のグラスも、グラスとしての個性が感じられたので、飲むお酒によっては、
これからまだまだ出番が沢山あるのではとの期待も持てました。
次回にやるかどうかは兎も角として、
今度、葉巻×シャマレルをやる時はこのグラスでいきたいと思います。
気付けばコラムといいますか、ややレポート調になってしまいましたが、
以上、仲塚がお送りしました!