「宝石とお金には縁がないが、おばちゃんからもらったルビーだけは、いいものを
持っている。」
こんな言葉を耳にすると、私の頭の脳裏に焼きついた色と形が浮かびます。
そして私は、こう聞き返します。
「大きさは、小指の爪くらい?
それとももっと大きく人指し指の爪くらいで、形はかきの種みたい?
どちらかというと、真っ赤というより少しピンクが かっている?
そして、リングの台(枠)は、昔のだから、なぜか18金の爪だけ?」
と続けて言うと、
「その通り。なんで知ってるの?」
と、不思議そうに返事が返ってくるのです。
不思議に思われる理由は、そんじゃそこらにないルビーと信じ込み、おまけにかな
り価値のあるものと聞かされているのに、なんでそんなに詳しく知ってるの?
と、いうことなのでしょう。
ここまで条件が揃えば、ものを観るまでも無く、終戦を向かえ、復興と同時に出回
りだした、『合成ルビー』 なのです。
それでは、今から約40~50年前に売られていたと思われる、合成ルビーを紹介
いたします。
すべて、最近手に入れたものでは無く、数年前まで、千本透かし(昔の手作り枠)
の18台リングになっていたものを、私が台座からはずしたものです。
偽者にも色々ありますが、こちらは真っ赤な偽者(シャレのつもり・・・)にも関わらず
なぜか所有者は、ほとんどの方が本物と勘違いしているたちの悪い石なのです。