まだまだ残暑が続きますね。
ちょっと怖い話をしてもいいですか?
あれは19年前。
私が20歳の時のお話。
いつもの週末、カウンターはカップルのお客様で賑わっていて
10席のカウンターはほぼ埋まっていました。
私は額に汗をかきながら、沢山のカクテルを次々に作っていました。
すると新しい新規のカップルが来店し、着席するやいなや、たった今みてきた
映画「タイタニック」の話を二人で話している。
興奮冷めやらぬのか、BARでのトークとしては少しボリュームも高め。
今しがた見てきた映画の感動を他の誰かに伝えたいのでしょう。
私に声を掛けてきたのですが、ちょっと今は手が離せない・・。
すると、このあとカップルの女性が驚く言葉を投げかけてきた。
「マスター!ディカプリオに似てるって言われません?」
わし:(?!この場でなんて事をいうんだ・・。)
会話をしていた他のカップル達の会話が一瞬止まり
目線が私に集まるのを感じる・・。
そして隣のカップルに「似てますよね?」
などと話しを振っている。
隣りのお客さんも苦笑いしながら「そうですね・・」などと気を遣わせてしまっている。
わし:(こ・・公開処刑だ)
私自身が言った事ではないとはいえ、明らかに似ていない(外人だし)まさかのイケメン発言に
私は変な汗が出る事を覚えた。
この仕事をしていると「〇〇に似ている」って話はよくあるし、
(あーこの人にはそう見えているのね)位で
まぁ、嬉しくも悲しくもないのですが、あの時の衝撃を忘れる事ができない。
あー恥ずかしかった。
そして夜が明けた。
#ちょっと小噺