大島さんからのブラインドサンプル、続いてBです。
(以下はブラインドでテイスティングした内容です。)
・大島さんブラインドサンプル:B
香りは高貴な印象を伴うオールドシェリー、ベリージャム、煮詰めたようなブドウ感とその皮、チョコレートやコーヒー、クローブ、煮た野菜、腐葉土っぽいアーシー、レザー、ウッディネスはあるがそれほど強くない。
飲むとやはり高貴なシェリー感で香り通りのフルーティ、焦がし麦、柔らかい口当たりから濃厚なフルーティと濃いがやさしいベリージャムの甘味に移行する。渋味は強くなく心地良い。加水タイプ。
【VG】
素晴らしいオールドシェリーのニュアンスがあり、過熟感はなく安定感があり加水のヴァッティングの印象。
オールドボトルのオフィシャルかGMあたりのボトルと思われる。
予想
1970年前後の蒸留で20年程度の熟成。OBもしくはGMの加水ヴァッティング。
・グレングラント
・マッカラン
・グレンドロナック
あとはブドウ感からロングモーンも考えたが、こういうオールドシェリーにはセットで感じやすいトロピカル感がなく外した。
ファークラスならもうちょっと緩い感じになる気がする。
以上のようなテイスティングと予想を回答メールとしてお送りしました。
正解は・・・、
グレンドロナック GLENDRONACH 33yo OB 40%
MATURED ONLY IN THE FINEST OLOROSO SHERRY CASKSとかいてあり、マスターブレンダー、ロバート・ヒックスのクレジットがあるボトルで、2006年にマスターブレンダーが今のサンディ・ヒスロップに変わっているはずなので、どんなに遅くともその辺りにボトリングされているとのことです。
逆算すると1973以前の蒸留ということになりますね。
大島さんは1972よりは1971っぽいドロナックで、フルーティーさより土っぽさが勝っていると感じられたそうで、私がどう思うか知りたかったそうです。
ちょっと不甲斐ないことに、私はいろいろ飲んだにもかかわらず1972と1971の違いの認識というのはそこまで明確にはないのですが、しいて言うなら1971の方が輪郭がくっきりしておらず迫力がない印象で、そういう意味ではこのボトルは確かに1971に近いニュアンスかもしれません。
ノージングの第一印象で、オールドシェリーに伴う煮た野菜や土のニュアンスがドロナック71や72に近いと思ったので予想の選択肢に入れたのですが、飲むと過熟感や渋味が全然なく加水の印象で、熟成はもう少し短いと思いました。
そうなるとドロナックには該当するボトルがでてこず(昔のトール瓶のオフィシャルはとても美味なシェリー系でしたが方向性が少し違う印象でした)、それでグラントやマッカランを先に入れたのでした。
それにしても、ほぼ確実にオールドボトルだと思っていました。
以前の記事にも書きましたが、高貴なオールドシェリーが近年のリリースにも感じられるのは、ドロナックだけですね。
#グレンドロナック (GLENDRONACH) #SBT