先日、Whiskylinkで行った第5回SBT(ストイックブラインドテイスティング)
テイスティング時には知りませんでしたが、
ボトルAの出題者はタケモトカツヒコさんでした。
ホワイトヘザー White Heather 8年 43%
1970年代流通
(完全なブラインドテイスティングで評価しています。)
・香り
少しヒネもある明らかなオールド感、カラメル、紅茶、蜂蜜、少しレザーと土、ややしっとりした麦感は強め、妖艶なニュアンスも伴う高貴なオールドシェリーが時間とともに強まってくる、奥にオールドピート、多彩な香り。
・味わい
穏やかな口当たりから広がる。アプリコットジャム、皮付きオレンジやブドウ、紅茶、良い麦感、悪くないオールド感、薄めた蜂蜜やジャムの甘味、後半にタールを伴うオールドピート。度数を感じないわりに余韻は長め。
・総評
加水のオールドボトルと思われるが、芳醇さが度数を凌駕している印象。かなり美味しい。
香りの第一印象ではオールドブレンデッドかと思ったのがだが、時間とともにオールドシェリー、オールドピートなどの成分が積極的に主張してきて、芳醇な味わいからもモルトと判断。
シェリー樽が多く入った複数樽のヴァッティングで加水のシングルモルトと思われる。
ピートやシェリー感からは50~60年代などかなり古い蒸留と考えられ、ボトリングから相当の期間が経過していると予想。ヴァッティングの予想も踏まえて、オフィシャル、GM、ケイデンヘッドあたりのかなり古いボトルではないだろうか。だとするとコンディションはかなり良いと思われる。
昔の樽感と経年変化による味わいが個性の中心のようにも思われ、蒸留所予想は難しいのだが、蒸留所は前述したボトラーからこういう味で出てきそうなスペイサイド系からリベット、グラント、モートラックと予想してみた。
他にありそうなところとして、マッカランやダルモアなんかを考えたが、該当しそうなボトルの経験に乏しいため外した。
また、タールっぽいピートを有意にとると東ハイランドの蒸留所なんかも候補にあげたいところだが、オールドだとするとスペイサイドでもこのくらいはピートがありそうなので外した。
【Very Good】
予想蒸留所:①グレンリベット、②グレングラント、③モートラック
蒸留年:1950~1960年代
熟成年数:20年程度
度数:40~43%
点数:88
カスクタイプ:シェリーカスクを含むヴァッティング
妥当な価格:28000円
このボトルに対するSBTでの評価、正解発表はこちら
⇒ ボトルA評価 ボトルA正解発表
正解はオールドブレンデッドのホワイトヘザー8年でした。
最初オールドブレンデッドっぽさは感じたものの、深く味わってみると、こんなに良いシェリーやオールドピートのニュアンスがはっきりと出た個性のあるブレンデッドは飲んだことが無いように思いました。
また、豊潤さが度数を凌駕してボディを出しているように感じたボトルは、今まではすべてがモルトだったということがあり、最終的にはモルト予想にしてしまいました。
テイスティング自体はよく味わえた感じがして結構納得していたのですが、結果はブレンデッド・・・。
アベラワーがキーモルトとのことですが、言われてみれば昔のアベラワーと似たニュアンスもあるように思います。
モルト予想にするならせめてアベラワーを予想に入れたかったですね。
オールドブレンデッドの経験の無さがもろに露呈した形となりましたが、非常に美味しく貴重な経験になりました。
自分が特に好みと感じることの多い要素である妖艶さを感じ、今回一番に評価したボトルでした。
素敵なボトルの出題に感謝です。
#ブレンデッド・ヴァッテッド (blended or vatted malt) #SBT