驚愕のシェリー感で,どうしてこんなものが出てきたのか考え込んでしまいました。
ブッシュミルズ BUSHMILLS 1989-2003 OB for Japanese Connoisseurs #7438 52.6%
SHERRY HOGSHEAD
香りはオールド感を伴う濃いシェリー、紹興酒、プルーン、ドライフルーツ、みたらし、みりん、ブーケガルニ、リッチ、ミーティ、干し椎茸、飲むと滑らかで濃厚な味わい、粘性あり、赤いジャムのまったりした濃い甘味、コクあり、甘辛く旨味の濃いみたらしのたれ、良い渋味、ミーティで強い味わい、リッチで長い余韻。
【Very Good,Interesting】
ブッシュミルズが2003年に日本向けにボトリングしたシングルカスクで,1989年蒸留のシェリーホグスヘッドです。
日本向けでカスクストレングスのオフィシャルシングルカスクのアイリッシュなんて珍しいなとはおもいましたが,スペックも普通ですし何の気なしに飲んだのですが,のっけから衝撃を受けました。
紹興酒っぽさも伴う濃厚なシェリー感は70年代前半蒸留のシェリーカスクを彷彿とさせる濃厚なもので,実際は1989蒸留ですしボトリングからも10年そこそこなのですが,ヒネっぽさも含めてオールド感も伴っているように感じました。
ミーティさもあって非常にリッチで多彩な香りでした。
飲んでもとろりとした濃厚なテクスチャーを伴うシェリー感が充実しており,ジャム系の濃い甘味とほど良い渋味のバランスも良く,濃い甘味がべたべたしません。
ミーティでリッチなのは香味とも同様で,迫力を感じました。
明らかにこのヴィンテージのシェリーカスクでは今までに経験のない香味であり,もしかするとイレギュラーな状態で70年代前半の樽でまだ原酒に大きな影響を与えるだけのものが残っていたのではないかと思ってしまいます。
その樽が置かれていた環境のために,このスペックにしては不思議なヒネ感を伴うようなオールド感もあるのではないかと推察しました。
いくら興奮して考察してみても真相はわかりませんが,非常にリッチで旨味の濃い稀有なシェリー系モルトであることには疑う余地がありません。
あまり話題にならなかったアイリッシュのようで,最近普通に購入されたボトルということでしたので探してみましたが見つかりませんでした。
見つけるまでブログに上げるのを躊躇してしまいそうになるくらい衝撃的なブッシュミルズでした。
誰か見つけたら教えてください。(笑)
#アイリッシュ (IRISH)