第4回SBTボトルD、テイスティングした時には知りませんでしたが、出題者は大島さんでした。
クライヌリッシュ CLYNELISH 1974-1998 23yo UD RARE MALTS SELECTION 59.1%
(以下はブラインドでテイスティングした内容です。)
・香り
乾いた麦感、グレープフルーツのわた、青リンゴ、白ワイン、青草、若葉、薄い蜂蜜、バニラ。
・味わい
わりとスパイシーな口当たり、青リンゴ、白ブドウ、少しシトラスとグレープフルーツのわた、凝縮したフルーツ感、乾いた麦、少し草、若さを伴わないフレッシュな印象、少しクリアでキレあり、濃いシロップの甘味、少し塩気、ミディアムボディ。ほど良い熟成感。フルーティで心地良い余韻だが長くはない。
・総評
全体にプレーンでクリア。樽の影響の少ない印象だが、ほど良く心地よい熟成感がある。若い未熟感を伴わないフレッシュなフルーツ感や若葉の印象がかなり好印象。乾いた麦感と凝縮した柑橘のニュアンスも好み。
これらにややブリニーな印象を踏まえると、典型的なジャム感はあまり強くないがスプリングバンクが第一予想。
あとは昔のドロナックや最近飲んだTWAのロッシーにも同様のニュアンスを感じた。
カスクストレングスの白州なんかもこういう味になるかもしれない。
他にはラフロイグやボウモアの70年代中盤~後半のものなども考えたが、ピートが薄く除外した。
【Very Good】
予想蒸留所:①スプリングバンク、②グレンロッシー、③白州
蒸留年:1970年代
熟成年数:20~30年
度数:55%
点数:90
カスクタイプ:プレーンに近いリフィルバーボンホグスヘッド
妥当な価格:18000円
このボトルに対するSBTでの評価、正解発表はこちら
⇒ ボトルD評価 ボトルD正解発表
正解はUDレアモルトのクライヌリッシュ1974で、Cと同じ蒸留所でした。
※以下は、SBTでコメントしたものを編集・追記した内容です。
かなり好きな系統のモルトで、テイスティング内容にもそれなりに納得していますが、残念ながら蒸留所は浮かんできませんでした。
ボトルCが自分にとってど真ん中の典型的クライヌリッシュだったということが影響している部分はあると思いますが、それでもハウススタイルは感じられますし、まだまだ修行が足りませんね。(笑)
レアモルトはクライヌリッシュに限らずこれまでにたくさん飲みましたが、ハイプルーフでキレのあるものがほとんどで、ボトリング後時間がたってもほとんどヒネることもなくフレッシュ感とパワーを保っているボトルが多い印象です。
なので第一印象で若く感じがちですけど、同時に未熟感もなくて、じっくりと探ると奥のほうからいろいろ拾える、そんなレアモルトに多い熟成感が、ここ数年の私の好みにハマって最近のマイブームだったりします。
クライヌリッシュが出てこなかったのは残念でしたが、この第一印象が若そうなのに未熟感がないフレッシュな植物感や、奥から出てくる熟成感をとらえることができたのは良かったと思います。このボトルも、いわれてみればクライヌリッシュ70年代+レアモルトという感じで納得できます。
自分がクライヌリッシュに特に感じる個性として、ぬるっとした質感があって、恐らく無意識にそこで鑑別してるのだと思うのですが、このボトルはレアモルトらしいキレの良さがあったためか、それが強く感じられなかったのが候補に浮かばなかった理由だと思います。
今後は意識してハウススタイルの認識を広げないといけませんね。
なお、UDレアモルトは全体的に、開栓時はスパイシーで刺激が強くキレがあってドライですが、ゆっくり変化してやわらかくなり、奥にあったフルーティが前に出てくるような印象があります。
結果発表後、改めて飲んでみましたが、小瓶に少量だけ残しておいたためか2週間程度でフルーティさがだいぶ増した印象でした。
美味しいボトルをありがとうございました。
#クライヌリッシュ (CLYNELISH) #SBT