凄い樽が熟成のどこかで関与してそうな,突き抜けたボトルでした。
グレンドロナック GLENDRONACH 1993-2014 21yo OB for BEIJA-FLOR & SILVER SEAL #35 58.1%
one of 605 bottles, OLOROSO SHERRY BUTT
香りは強いシェリー、うっすらと昔の高貴なニュアンス、プラムジャム、ドライフルーツ、少しブドウ果汁やベリー感、レザー、腐葉土と淡く粘土、クローブ、うっすらハーブと植物感、少しカラメルソース、複雑、飲むと滑らかな口当たりから芳醇に広がる、香り同様にジャム感と淡いブドウ果汁、黒糖やカラメルの濃いめのコクのある甘味をウッディなタンニンの渋味が引き締める、しっとりしたアーシー、濃い味のわりに長くないがフルーティで甘さと渋みのバランスの良い余韻。
【Very Good】
ニューリリースのグレンドロナック1993,21年。
オフィシャルボトルでイタリアのBEIJA-FLORとシルバーシール向けにボトリングされたものです。
この辺のスペックの近年シェリーのドロナックは結構飲む機会が多いのですが,香りの第一印象で「おっ?」と思う,ひと味違うニュアンスがありました。
淡くではありますが,1972なんかに感じた高貴なシェリー感があるように思ったのです。
濃厚で多彩なフルーツがあり,少し果汁感も伴っており,やはり昔のシェリーカスクのような腐葉土っぽいしっとりとしたアーシーさやレザー感もあって,上記の如く非常に複雑でした。
飲んでも香り同様にフルーティであり,コクのある甘味と渋味のバランスも良く,ここ数年たくさん出てきた90年代ドロナックの中でも突き抜けたボトルだと思います。
ハンドボトリングを飲んだ時に,90年代でも突き抜けているなと思いましたが,これはそれ以上の複雑さがあって非常に完成度の高いボトルでありながら,今後の時間経過でさらに美味しくなりそうな予感もしました。
ただ,唯一引っかかったのが価格で,このスペックで30000円近くします。
内容は素晴らしいのですが,ちょっと手を出すのに躊躇してしまいました。
以前からシルバーシールがからむとボトルが高くなる印象がありましたが,今回その印象はますます強くなりました。。。
とはいえボトルの中身自体は素晴らしく,何の記載も無いので違うのでしょうが,1972の樽で後熟したと言われたら納得するような香味でした。
#グレンドロナック (GLENDRONACH)