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グレングラント1948-2006 GM 蒸留所ラベル

いろんな意味で驚きの陶酔感でした。

 

グレングラント GLENGRANT 1948-2006 GM Distillery Labels 40%

華やかな香り立ち、多彩な熟成香には陶酔感あり、熟した桃や洋梨、オレンジマーマレード、エステリー、奥からしっとりしたピートと土、オイル、蜂蜜、飲むと滑らかな口当たりから芳醇に広がる、香り同様の陶酔感のあるフルーティ、オレンジマーマレードとコクのある蜂蜜の甘味、しっとりと溶け込んだピートがしっかりと主張、クリーミー、オレンジオイルのようなオイリー、長い余韻。

【Very Good/Excellent】

蒸留所ラベルのグレングラントですが、これは1948年蒸留の2006年詰めで約58年の熟成です。
ここまで長期熟成のものというのもなかなかありませんね。

超長熟の40%ですから加水はほとんどしていないのではないかと思いますが、華やかで強い香り立ちです。
非常に多彩でフルーティでエステリーな熟成香がありますがナチュラルで、奥の方から40年代蒸留らしいしっとりとしたオールドピートや土っぽさも感じられ、深い陶酔感があります。さすがに麦感は消え去っているような印象でした。
口に含むと滑らかですがしっかりと広がりがあり、香り同様の陶酔感のあるフルーティにしっかりとピートが溶け込んでいました。蜂蜜のようなコクのある甘味も良かったです。
迫力があるとまではいきませんがそれなりに厚みがあり、フルーツとピート、そしてオレンジオイルのような余韻が長く続きました。

香りからも味わいからも、長熟にはつきものの強いウッディネスが感じられず、渋味も全然強くありません。
GMはどんな魔法を使ったんでしょうか。

個人的には、長熟過ぎるボトルは高額化するだけでウイスキーとしてはピークを過ぎてしまっているものが多いと思っていて、特に1940~60年代蒸留のボトルは20年程度の熟成が一番美味しいのではないかと思っているのですが、その考えが覆されるようなボトルでした。
いわゆる良質な樽でこんなに長く熟成させたら、過熟になりこんなキレイな仕上がりにはならない気がします。長い経過の中では詰め替えもあったかもしれませんが、経てきた樽の質と熟成環境によって奇跡的に仕上がったようなものなのではないかと思います。
自分の固定観念の枠から飛び出した、素晴らしいボトルでした。

 

このボトルは、三越前のIANさんでいただきました。
 

#グレングラント (GLENGRANT)

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