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第4回SBTボトルB:竹鶴21年 43%

第4回SBTボトルB、テイスティング時には知りませんでしたが、出題者はガースーさんでした。

竹鶴21年 オフィシャル 43%

(以下はブラインドでテイスティングした内容です。)

・香り
熟したリンゴ、カルヴァドス、アプリコット、少しオレンジ、セメダイン、バニラ、蜂蜜、ナッツ、結構熟成感のあるエステリー、香りで麦は強くは感じない、薄くシェリー感、かなり良い香り。
 
・味わい
やはり熟したリンゴやカルヴァドス、バニラクリーム、加水の印象、軽い蜂蜜のやさしい甘味と少しの塩気、ほど良い麦感、熟成感はまずまずあり未熟感はない、少しシェリーのニュアンス、奥に指摘するほどでもないくらいのサルファリー要素。リンゴと植物感のある余韻。
 
・総評
香りは熟成感のあるカルヴァドスのような印象がありかなり良い。飲むとそこまでの熟成感はないが、熟したリンゴのニュアンスとバニラクリームが特徴的。香り立ちの良さとやや味わいの軽さを感じ、加水と思われる。

リンゴを中心とした熟成香を重視して評価するとグレンキースやストラスアイラ、クリーム感からグレンロセス予想とした。他にはインペリアルあたりを考えた。
 
【Good/Very Good】

予想蒸留所:①グレンキース、②ストラスアイラ、③グレンロセス
蒸留年:1980年前後
熟成年数:20~25年
度数:46%
点数:87
カスクタイプ:リフィルシェリーホグスヘッド
妥当な価格:12000円

このボトルに対するSBTでの評価、正解発表はこちら
⇒  ボトルB評価   ボトルB正解発表

正解ボトルは竹鶴21年でした。

竹鶴は余市と宮城峡のヴァッテッドモルトで、なぜ余市や宮城峡単独よりヴァッテッドモルトの値段が極端にが安いのか、以前から不思議で仕方がなかったボトルです。

そして、竹鶴でも特にこの21年は、CPが最高に高いボトルのひとつとして数年前まで自宅で愛飲していたボトルだったので、今回全くピンとこなかったのは結構ショックでしたね。
テイスティング内容に関しても、このボトルに関してはやっててなんとなくしっくりこなかったというか、うまく特徴がつかめていない感じがしていたのですが、それは結構他のテイスターさんたちがとらえていたジャパニーズ特有のニュアンスだったのかもしれません。それを拾えなかったということもあり、今回の出題で一番反省点の多いサンプルでした。

さて竹鶴21年、ひさしぶりに飲みましたが、言い訳ではないですが以前とはラベルも味も結構変わっていました。私が飲んでいた頃のものは、わりともっとはっきりしたトロピカル感に近いような濃厚な果実感があり全体に重い印象があるものでしたが、今回のものはバランスが良く少し軽くなって洗練された印象でした。香りに関しては以前より複雑で良い印象を持ちました。

今回の現行品も、ヴェッテッドモルト部門で他の追随を許さない完成度の高いボトルだと思いました。

久しぶりに買って飲もうかなと思っていたボトルでもありましたので、それをブラインドで飲めたのはとても有意義でした。

ガースーさん、出題ありがとうございました。

#ブレンデッド・ヴァッテッド (blended or vatted malt) #SBT

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