自宅蔵出しの1981ラフ。ちょっと最初は想像と違ったタイプでしたが美味でした。
ラフロイグ LAPHROAIG 1981-2001 20yo Caledonian Selection #4607 55.3%
Hogshead
・香り:
香りは最初こもっているが徐々に華やかでフルーティになる,グレープフルーツ,シトラス,フレッシュパイン,奥から熟す前の洋梨や黄桃,青いパパイヤ,バニラ,炒った銀杏,少し乾いたニュアンスのある強い麦感,乾き始めた藁と井草の植物感,薄めた蜂蜜の甘やかさ,強いピート,ヨードはキツくない程度にあり,穏やかな潮と海藻っぽいミネラル。
・味わい:
口当たりのキツさはないが徐々にヒリヒリと白コショウのスパイシー,シトラス,グレープフルーツ,時間と共に洋梨,白い花,うっすらおしろい,凝縮したやや粉っぽいテクスチャー,フルーティな甘味はさらりとしており強くなく,柑橘系の酸味,塩気は思いのほか強い,舌に染み込むような乾いた麦とその旨味,さっととったような上品な魚介ダシの旨みもある,若葉のような植物感,海藻のミネラル,淡いオーク,香りよりもヨードは弱いが炭っぽさも伴う力強いスモークがある。
・余韻:
柑橘系のフルーティとその酸味,強い塩気,スモーキーでスパイシーな余韻は長い。
・加水:
よりスムーズになり,柑橘と桃っぽいフルーツが強まる,タールっぽさややや古さを感じるピートが顕著に出てくる。
・総評:
開栓当初は頑なな印象で,フルーツ感よりも植物感やピート由来の成分が非常に強く,この年代のオールドでしかもボトラーズのラフロイグとしては想像したものと異なるように思った。
しかし開栓後しばらくしてから改めて飲んでみると,かなり華やかなフルーツ,らしい柑橘や洋梨や桃と言った陶酔感のある多彩な要素が出てきており,それは香り・味わいとも同様であった。
この時代のラフロイグらしい凝縮して粉っぽいニュアンスも最初はそれほど感じなかったが,時間と共に出てきて私にとって好ましいテクスチャーになった。
ボトラーズのプレーンに近い樽,おそらくは何度も使ったホグスヘッドと思われる樽感の淡さで,オフィシャルに比べるとヨードがそれほど顕著でないピートが強かったのも印象的だった。
とにかく時間と共に期待するラフロイグらしさを取り戻していくようなボトルで,興味深くいただいた。
【Very Good】
カレドニアンセレクションからラフロイグ1981,2001年詰めの20年熟成です。
カレドニアンコネクションズという他のボトラーがあり,そちらはブラッカダーと同資本らしいのですが,このボトルを海外から購入した当初,私はそちらのボトラーと勘違いしており,しかも瓶の底にブラッカダーのRAW CASKシリーズでしか見たことの無い炭っぽい樽のカスのようなものがいくつも沈んでいることも手伝って,それを信じて疑いませんでした。
実際は,ラフロイグ出身者が設立したボトラーのようです。
だからこんなスペックのラフロイグが詰められたのかもしれませんね。
さて,肝心の中身はというと,ラフロイグ出身の方が詰めた樽にしては,オフィシャルよりボトラーズに近いニュアンスのフルーティなタイプでした。
しかし,開栓当初は非常に頑なで近づきにくいモルトでした。
人見知りがおさまるまで,しばらくそのままにしておいたのですが,久しぶりに開けてみると,いや,正確には久しぶりに開けて注いでしばらく置くと,らしい凝縮感のあるラフロイグになっていました。
あとは上記のとおり非常にフルーティで凝縮したラフロイグらしい味わいを堪能させていただきました。
開栓当初,らしいフルーツが無く植物感やオークのエグ味も強く感じてしまい,ちょっと残念な感じもしたのですが,最終的には心配は無用でした。
余談ですが,この頑なさがわからなければ本領発揮する前になんとなくたくさん飲んでしまったかもしれません。
なんとなくのニュアンスではあるのですが,多くのボトルに出会って,その都度考えていくうちに養われた認識だと思われ,そういう経験値って目の前のボトルを深く楽しむのに大切なものだと思います。
#ラフロイグ (LAPHROAIG)