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自宅テイスティング:ハイランドパーク1958 40年 オフィシャル

思い切って開けましたが、感無量の美味しさでした。

 

ハイランドパーク HIGHLAND PARK 1958 40yo OB 44.0%
one of 665 bottles

・香り:
強い発香、やや高貴でセクシーなシェリー感、しっかりと香木のウッディネス、完熟の桃とその皮、ブドウ果汁とブランデー、焼きリンゴ、プラム、ピーナッツクリーム、カラメル、ビターチョコレート、紅茶、ハーブの草っぽさ、クローブとシナモン、腐葉土っぽさを伴うオールドピート、きのこ、強くレザー、焦がし麦、樹液、かなり複雑で重厚でこの上なくリッチ。次々と湧き上がる香りを拾っていける、シンプルに書くのが困難。

・味わい:
わりと滑らかな口当たりからグワッと広がる芳醇な味わい、すごい。ブドウと桃を皮ごと噛んだようなフルーティ、アプリコットジャム、レザー、かなりアーシーでボルドーの古いワインにあるようなきのこっぽさ、カラメル、コーヒー、濃く煮出した紅茶、香木とアンティーク家具のウッディネス、樹液、ブーケガルニの様なハーブ感、蜂蜜と煮込んだフルーツのような甘味、コクあり、ややオイリーでブリニー、少しべっこうあめ、活き活きした酸味もある。ウッディネスのわりに強すぎない渋味、心地良いタンニン、本当に複雑でリッチ、ビッグでフルボディ、すごい陶酔感。

・余韻:
煮込んだフルーツとハーブ、香木感、オールドピート、これらがオイリーで舌にまとわりつくような感覚と共に長く残る。

・加水:
崩れない、少しオールドピートが強まる。ストラスアイラのバイセンテナリーに近いニュアンスになる。

・総評:
この上なくリッチで複雑で重厚なハイランドパーク。
妖艶さと陶酔感も伴うのも素晴らしい。
50年代蒸留の長熟で昔のモルトウイスキーの魅力に溢れているが、劣化も過熟感もなくまだ活き活きしている。
圧倒的な存在感で、ひたすらにすごい。

【Excellent】

ハイランドパーク1958蒸留のオフィシャルボトル、40年熟成。
数年前に蒸留所が買い戻そうとして動いたという噂もあるボトルで、今の流通価格はすごいことになっています。

ほぼ発売当時の価格で購入したものとはいえ、自分のストックの中でも特に高額なボトルのひとつで、なかなか開けられないものでしたが、そういうボトルを持ち寄ってみんなで一晩かけてじっくり飲もうということになり、この機会に思い切って開けてみました。
開栓後もゆっくりじっくりとテイスティングを行い、ブログ開始1年の記念すべき本日に公開させていただくことにしました。

50年代以前の蒸留だとボトリングから時間が経っているものが多く、どうしても劣化や過剰なオールド感が出るものが多くなりますが、このボトルには昔の蒸留らしい魅力に溢れているのにそこまでボトリングから年数が経っていないためか劣化要素が全く感じられません。かといって長熟すぎる過熟感もないのが素晴らしく、こういうボトルにはめったに出会えません。度数もそこそこ下がっているのですが、ヘタレなかったのは厚い酒質と長熟の賜物でしょうか。

普段から、できるだけシンプルなテイスティングノートを心掛けているのですが、グラスから次々と湧き上がってくるアロマ&フレーバーはスルーするには惜しい成分ばかりで、シンプルに書くのは困難で、自分でも引くくらい長くなってしまいました。それでも十分に表現できている自信がないくらい複雑で深遠なボトルでした。そして昔からのハウススタイルであろうコクのある蜂蜜やピートなどハイランドパークらしさもしっかりと感じられます。

高額ボトルの中には、無駄に長い熟成期間や希少価値のみで価値が高くなっているものが結構あり、内容だけならそこまでの価値を見いだせないものも多い印象でしたが、このハイランドパークはそれにふさわしい魅力があります。

もう一生忘れることのできないボトルになりました。

 

#ハイランドパーク (HIGHLANDPARK)

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