第4回SBTボトルE、テイスティング時には知りませんでしたが、出題者はくりりんさんでした。
ボウモア BOWMORE 10yo OB TEMPEST BATCH.4 55.1%
FIRST FILL BOURBON CASK
(以下はブラインドでテイスティングした内容です。)
・香り
グレープフルーツ、植物、バニラ、少し若さのあるモルティと草、青リンゴ、フレッシュ、少しパッションフルーツなどトロピカル感。
・味わい
少し紙っぽさもある若いモルティ、グレープフルーツ、潮の弱いスモーク主体の乾いたピート、トロピカル感、植物や紙のエグ味あり、シロップの甘さ、わりとクリア。ボディは軽め。さらりとした甘さの余韻で長くはない。加水で紙っぽさが増強する。
・総評
トロピカル感のあるフルーツとピートがあるモルト。ボディが軽めで、植物感と紙っぽさが強めに感じられた。
トロピカル感とピートのニュアンスはボウモアと近いものがあり、またもやボウモアとの鑑別を要するモルト。これだけリリースがあるといろんなボウモアがあって良いと思うが、ここまで紙っぽさがあるものには出会ったことが無い。(すごく若いものにうっすら感じたことがある程度。)
ただし苦手な紙っぽい要素は必要以上に強く感じてしまうことが多く、今回もその可能性は否めない。
若干エグ味もあり、やや酒質が悪い印象もある。また、度数は低くない印象のわりにボディは軽く、ローランドモルトが疑わしい。
トロピカル、ピート、紙など特徴的な要素がいくつもあったからこそ逆に蒸留所予想は選択肢が多く非常に悩んだ。
そこまで強くはないが紙っぽさを有意にとると最近トロピカル系のリリースが多いリトルミル。
正直アードモアを入れたいところだが、さすがに2回連続はないだろうという不謹慎な考えがあり除外。
抑えにボウモア。こういうトロピカル感は感じたことはないが植物っぽいエグ味でブナハーブン(若いピーテッドタイプ)を入れてみた。
他にもロッホローモンドを中心に他のローランドモルト、セミローランド(?)のタリバーディン、さらにレダイグやベンリアックなど、次々に候補が浮かび悩んだ問題だった。
【Okay/Good】
予想蒸留所:①リトルミル、②ブナハーブン、③ボウモア
蒸留年:1990年前後
熟成年数:10~20年
度数:50%前後
点数:78
カスクタイプ:バーボンホグスヘッド
妥当な価格:7000円
このボトルに対するSBTでの評価、正解発表はこちら
⇒ ボトルE評価 ボトルE正解発表
正解ボトルはボウモアテンペストの最新バッチであるバッチ4でした。
またしてもボウモアとの鑑別を要するボトルと書きましたが、ボウモアでしたね。(笑)
どうやら自分にはあまり好きでない成分を強く感じてしまう傾向があるようで、今回は紙っぽさを過大評価してしまった結果、必要以上に悩むことになりました。
このボトル、ボウモアのカスクストレングスにしてはずいぶんボディが軽く、若さゆえの未熟感のようなものが強かったのが印象的でした。
ただ、最近飲んだ2000年以降のヴィンテージのものには、やはり似たようなニュアンスを感じるものが多く、正解発表の中でくりりんさんも述べられている通り、このテンペストも含めて近年のボウモアが移行しつつある方向性なのかもしれません。
ボウモアのテンペストは、実は1stしか飲んだことが無いんですが、とても好みでCPも高く、1stだけを自宅で3本飲んで4本目が今開いてます。
それだけ好きなら2ndバッチ以降も当然飲んでおくべきでしたね・・・。
改めて、今回の正解を知ってから1stを飲んでみました。
ボディの厚みやフルーティを中心とした味の濃厚さ、未熟感をそれほど感じないまとまりのある味わいなど、トロピカルやピートのニュアンスなど同系統ではありながら明らかに1stのほうが好みでした。そしてラベルも1stのほうが重厚感があって好きです。4thはなんか安っぽくなったような・・・。
今回のテンペストに関しては少なからずネガティブな変化を遂げた気がしますが、ボウモアは昔から大好きな蒸留所で、良い悪いも含めてその味の変遷をこれからもずっと楽しんでいくと思います。
2000年以降の原酒の方向性を認識できたことはとても有意義でした。
今回も素晴らしい意図の出題をありがとうございました。
#ボウモア (BOWMORE) #SBT