バリシェリーのリッチで旨い山崎でした。
山崎 YAMAZAKI 1998-2013 OB for IZUMIYA 60th Anniversary “有馬” #CU70065 60%
SHERRY BUTT
・香り:
濃いシェリー,少し果汁を感じるブドウ感,レーズン,ドライフルーツ,ベリージャム,カラメルソース,ビターチョコレートがけのオレンジ,黒糖,コーヒー,少しアーシー,フレッシュさもあるハーブ,ミント,クローブなどのスパイス,焦がし麦,バルサミコ酢,若干の生っぽさを感じるウッディネス,リッチで複雑。
・味わい:
滑らかな口当たりから芳醇に刺激的に広がる,濃厚でやや粘性のあるテクスチャー,濃いシェリー,セメダイン,ベリージャムやレーズンなど濃縮したフルーティとその甘味,コーヒー,若干新樽っぽい生木や鉛筆の削りかすっぽさもあるウッディネスとそれに伴うタンニン,ビターチョコレートの渋味,プラムジャムの酸味,リッチ,厚めのボディ。
・余韻:
ジャム系の濃いフルーティな甘味と良い渋味が長く残る。
・加水:
オレンジっぽさが強まる程度で崩れない。
・総評:
近年のサントリーのシェリーカスクだが,サルファリーもなく生木っぽさも少なく,リッチで複雑,深みのあるシェリー系モルト。
【Good/Very Good】
久留米にある泉屋さんという酒屋さんが60周年記念で詰めた山崎1998-2013,シェリーバットのシングルカスクです。
有楽町でも以前に飲み,美味しかったので購入しました。
サントリーのシェリー樽というと,マッカランなどと同様にスペインに委託してウイスキー用にシーズニングさせた,ヨーロピアンオークのオロロソシェリーカスクが知られていますが,リッチなシェリー感が感じられるものの,やや生木っぽいウッディネスが気になるものも散見される印象でした。
しかしこのボトルは,しっかり選ばれているのか,そういった最近のサントリーのシェリーカスクの引っかかる部分が薄い樽のようです。
熟成もそれほど長くありませんが,渋味も嫌味にならず味を深める程度に留まっており,詰め時に詰められた印象もあります。
近年詰めのシェリーカスクの山崎の中でも,とても仕上がりの良いボトルだと思います。
今後,さらにタンニンや生木っぽさやセメダインのようなニュアンスが無くなり粘性が出てくる予感がしており,個人的にはこれが瓶熟した時の美味しさにはかなり期待が持てると思っています。
#山崎 (YAMAZAKI)