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カリラ 15年 オフィシャル 57% バロックレイド表記 80年代流通

最高のカリラはいろんな顔を見せてくれます。

 CAOL ILA 15yo OB 57%

カリラ CAOL ILA 15yo OB 57%
80年代流通,BULLOCH LADE表記

香りは華やかでフルーティ、遅れてしっかりとピーティ、オレンジ、パパイヤやパイナップル、黄色い花、塩素や淡い金属感、強く滋味深い麦感、しっかりアーシー、ピートの主張は強いスモークが優位、タール、陶酔感あり、飲むと滑らかな口当たりから強烈に広がる、香り同様かそれ以上に強いトロピカルを伴う強いフルーティと塩素や金属、炭っぽいスモークがしっかり、フルーティな甘味はあるが強すぎない、しっかりブリニー、魚介ダシの旨味、オイリーさもある長い余韻。

【Very Good/Excellent】

80年代に流通していたオフィシャルのカリラ,バロックレイド表記の15年フルストレングスです。

他のカリラではほとんど感じたことの無いトロピカル感を含んだ多彩で華やかなフルーツ感が非常に印象的で,ピートもかなり強いのですが香りにおいても味わいにおいてもフルーツの後から遅れてやってくるような印象です。
滋味深い麦感や魚介ダシのような旨味もあり,金属感や塩素,土っぽさなどなど,構成する要素は非常に多彩です。
突き抜けた陶酔感は長く長く続きました。

このボトルは,最初に有楽町で飲んだ時に衝撃を受けたボトルでした。ちょうどこのブログを始める少し前だったと思います。
強烈かつナチュラルなトロピカルフルーツが感じられ,それでいてアイラのカスクストレングスらしい迫力のあるボディやピートも下支えしており,記憶にくっきりと残る香味でした。
その後,同ラベルの開栓したてのものをモルト仲間の新築祝いの席でいただく機会がありました。そちらのほうがカリラのカスクストレングスらしいドライさを伴ったタイプで,もちろんボディもあり複雑さもありモルティな旨味もあり素晴らしいものだったのですが,有楽町で飲んだものとは違ったタイプでした。ただ,なんとなくフルーティになる片鱗みたいなものを感じていました。

今回メインモルトさんでいただいたこのボトルは,フルーツ感においてその2本の間のようなフレーバーでした。やや鋭さや金属感を伴ったピートの強さは有楽町で飲んだものよりも強かったと思います。
そしてさらに,最近モルト仲間のところで開いたボトルを再度テイスティングさせていただく機会に恵まれました。ちょっと枯れた感じも出ていましたが,明らかにフルーティになっており,変化の幅は大きかったです。

ロットは何種類もあるでしょうからもともと全く同じでは無い可能性が高いですが,ロットの違いのほかにも,未開栓時代,開栓後のコンディション,言ってみれば生まれた後の育ち方によっても大きく変わることを今回の経緯で改めて実感しました。
オールドボトルは何十年もかけて場合によっては何人ものコレクターの保管を経て育つわけですが,高級ワインと違ってその経過が明らかになっていることは稀です。
ラベルの状態や量の減りかたから想像できる部分もありますが,予想と違うこともしばしばあります。ラベルがボロく量も減っているのに思ったより若々しく硬かったり,逆にラベルが綺麗で減っていないのに枯れて抜けてしまっていたり。

どのモルトに関しても言えることだとは思いますし,熟成期間や樽の種類など酒のタイプにも寄るとは思うのですが,特にこのボトルのようにものすごい大器として生まれてきたものは,育ち方による変化度もより大きいのではないかなんて想像をしていました。

紆余曲折を経て瓶内変化したボトルの方がそのドリンカーにとって好ましいものになっている可能性もあり,それもまたウイスキーの楽しみのひとつと言えそうです。

 

このボトルは,神戸三宮のMain Maltさんでいただきました。
 

#カリラ (CAOL ILA) #考えたこと

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