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第3回SBTボトルD:グレンアルビン1963 GM for SESTANTE

第3回SBTボトルD、テイスティング時には知りませんでしたが、出題者はタケモトカツヒコさんでした。

 

グレンアルビン GLENALBYN 1963 21yo GM for Sestante 40%

(完全なブラインドテイスティングで評価しています。)
 
・香り
セクシーで素晴らしく陶酔感のある強い発香、香りの広がりの良さは加水っぽい。
オールドシェリーのニュアンスがあるが、シェリーだけではなさそうでヴァッティングだろうか。プラム、桃、アプリコット、ブドウ、紅茶、パイナップル、熟したメロン、フルーツは全体に熟しているがみずみずしさも感じる。明らかにオールドのピート、レザー、ハーブ、アンティーク家具のウッディネス、少しヒノキ、ブランデーの入ったフルーツケーキ、オールドで20年以上の長めの熟成感、モルティは感じられるが強くはない。

・味わい
やわらかい口当たりから広がる複雑な味わい。やはり陶酔感あり。
アプリコットティー、オイル、ピートは香りの印象より強く明らかに50~60年代の古いニュアンス。ウッディネスも香りより感じる。アーシーで土っぽく、レザー感もある。後半の伸びはそこまでなくオールドの加水の印象。甘味は薄いべっこう飴の上品な甘さ、ボディはそれほど厚くない。余韻はセロリなどのハーブとオールドのウッディネスと古いピート。かなり心地良いが長くはない。

・総評
香りは本当に素晴らしく偉大。グラスに注いでいるときにすでに陶酔感あり。飲んでも複雑でわりと上品さがある味わいであり、迫力はないが洗練された印象もあるウイスキー。
今回の出題ではずば抜けてすごいボトル。

明らかにオールドボトルで、シェリー感とピート感から蒸留は50~60年代と思われる。ただしそうだとしたら信じられないくらい状態の良いボトルということになるが・・・。
香りの陶酔感は妖艶でとにかく素晴らしい。すぐに広がる香りからも味わいからも加水と思われる。次々と香りが取り出せてノージングが楽しくて仕方がない。
飲むと迫力には欠けるが複雑で、陶酔感もありバランスも良好。オールドシェリーのニュアンス+αの複雑さがある印象で、ヴァッティングの加水のボトルを考える。GMやケイデンヘッドあたりの超オールドボトルが連想される。

蒸留所は、香りからはストラスアイラ、グレンキースなどを考え、ピートを含む味わいからはオールドタリスカー(イーグルラベルとか)、ストラスアイラGM蒸留所ラベルのオールド、総合的にはグレングラントのオールドボトルでも良い気がする。
こういうシェリー感やピート感は、昔々の偉大なオールドボトルに共通して感じられることが多く、絞り込みはなかなかに難儀。

【Very Good/Excellent】

<ブラインドテイスティングによる予想>
予想蒸留所:①ストラスアイラ、②タリスカー、③グレングラント
蒸留年:1950~1960年代
熟成年数:20~30年
度数:43%
点数:94
カスクタイプ:シェリーを含むヴァッティング
妥当な価格:30000円

このボトルに対するSBTでの評価、正解発表はこちら
⇒ ボトルD評価  ボトルD正解発表

ボトルDはこんな感じでした。
蒸留所はかすりもしませんでしたがスペックは概ね予想通りで、何より言われてみれば納得のボトルでした。
実は同じボトルを2年前に飲んでおり、その時の簡易テイスティングコメントは以下のようなものでした。

「オールドシェリー、コニャックのブドウ感、熟したフルーツ満載、レザーや土、かなりエッチな感じ、心地良いピート、ボディはそこまで厚くない。セクシーな香りが本当に素晴らしい。ひさしぶりに2回おかわりした。【VG/E】」

エッチな感じも含めて(笑)、かなり今回と近いコメントです。
過去の記録・レートを見ても私にとってベストグレンアルビンで、テイスティングコメントも今回のものと似通っているのに全然候補に上がってこなかったのが悔やまれます。

でも、自分が好きなボトルを完全にブラインドで飲んでも同じように評価できたというのは嬉しいことです。自分が間違いなくこういう香りを好きだということも確認できました。

こんな素晴らしいボトルをSBTに出していただいて感謝感謝です。
 

#グレンアルビン (GLENALBYN) #SBT

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