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自宅テイスティング:ブルイックラディ 2007 オフィシャル アイラバーレイ ロックサイドファーム 2007

滋味深い無骨な麦感がアイラの大地を感じさせます。

 

ブルイックラディ BRUICHLADDAICH 2007 OB ISLAY BARLEY ROCKSIDE FARM 2007 50%

・香り:
強く厚みも感じる麦感が支配的,シトラス,淡く青リンゴ,蜂蜜,バニラ,少し機械油,アルコールも感じる若くやや単調な香り。

・味わい:
やや粘性を感じるテクスチャー,じわじわと刺激あり,蜂蜜の甘味と濃い麦の旨み,若いアルコール感,複雑ではないがストレートな美味しさ,後半にタールとスモーク,やや機械油,ボディは厚め。

・余韻:
蜂蜜の甘味に麦感とタール,それにオイリーさが伴って長めに残る。

・加水:
青リンゴやバニラが強まるが崩れない。

・総評:
若さはもちろん強めで,再開後のブルイックラディにしばしば感じる機械油っぽいニュアンスもあるが,飲み比べしたスコティッシュバーレイと比べると明らかに麦感優位で滋味深い。

【Good,Interesting】

ブルイックラディ2007,オフィシャル,アイラバーレイ,ロックサイドファーム。
2103年のボトリングと思われます。

アイラで栽培された大麦のみを用いて作られたモルトウイスキーで,トレイサビリティを追求したというこのボトル,畑だけでなく生産者まで記載されています。

およそ6年の熟成期間でやや未熟感はあり複雑さもありませんが,スペックを知っている影響もあるとは思いますが無骨で滋味深い麦感が味わい深いです。

このボトルはジム・マッキューワン氏が来日された際に行われたイベントで初めて飲みました。
以前ブルイックラディを訪問した際にはマッキューワン氏が不在でしたので,今回初めてお会いしてお話しできました。

私は再興したあとのブルイックラディには正直あまり良い印象を持っておらず,機械油のようなニュアンスがあったりとってつけたような後熟感があったりとあまり好ましくない香味が多いイメージでした。

このイベントでは,このアイラバーレイ2007の他に,ブルイックラディ・スコティッシュバーレイ,ポートシャーロット・スコティッシュバーレイ,オクトモア6.1というラインナップでテイスティングしましたが,個人的にはこのアイラバーレイが最も心に残りました。
ピーティな2種に関してはちょっとシェリー感が好みでなかったりとか個人的には微妙な部分もありましたが,周囲の参加者の方々には好評でしたし好みの問題ですね。

自分としてこの日一番興味深かったのはスコティッシュバーレイとアイラバーレイの飲み比べでした。

スコティッシュバーレイは当日マッキューワン氏がおっしゃっていた通り,フレッシュな柑橘とバニラ,蜂蜜の様なニュアンスがある軽やかでフルーティなモルトでバランスも良かったですが,自分としては機械油っぽさも少し気になるところでした。
そこで次に飲んだこのアイラバーレイ2007,さすがに未熟感は否めませんでしたしスコティッシュバーレイに比べるとフルーティさには乏しかったですが,無骨で旨みの濃い麦感が全面に出ており,機械油っぽい香味は控えめでした。
度数のわりにはスムーズな口当たりでしみじみと麦の旨みが感じられるという意味では玄人向けのモルトと言えるかもしれません。
そして熟成年数のわりには仕上がっており,コストのかかる原料ですから樽も良いものを使っているのかなと邪推してしまいました。

もちろん現時点では熟成感も無く,特別に美味しいものではありません。
しかしアイラ島への愛着やマッキューワン効果なのかもしれませんが,このシリーズ,次が出るようならまた飲んでみたいと思いました。


 

#ブルイックラディ (BRUICHLADDICH)

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