樽と瓶の中で作られた芸術品という感じでした。
グレンファークラス GLENFARCLAS 1975-1995 OB 43%
one of 1200 bottles
香りは少し高貴な感じと重さが同居したオールドシェリー。ブドウとブラックカラント、黒糖、奥から焦がしたモルティ。
飲むとスムーズで良い意味で少しザラつきのあるテクスチャー、加水のわりに濃い味、皮ごと噛んだ巨峰の果汁感とタンニン、余韻も心地良い。
【Very Good, Interesting】
1995年に加水43%でボトリングされたグレンファークラス1975、約20年の熟成で瓶詰めから約25年経っています。
70年代のシェリーカスクのヴァッティングと思われますが、60年代の樽に感じるような高貴なニュアンスが僅かながら感じたのが印象的でした。
皮ごと噛んだブドウのような甘味と渋味があり、かつ果汁感を残したフルーツ感も魅力的で、それでいてモルティさの主張もほどよくあるという、個人的にも好きなシェリーカスクの構成でもありました。
飲み応えもありますが、加水で低めの度数ということもあり飲み飽きせず、家で開けたらエンドレスで飲んでしまいそうです。。
特にシェリー感に関して、ちょっとスペックからは考えにくい要素を含んでいるのは、表記より古い樽がヴァッティングされているということも考えられますが、どちらかというと原酒のポテンシャルに加えて加水と経年変化が影響したものと考えます。
その結果として総合的に整っているといえるような仕上がりで、瓶内も含めた時間の作った芸術品というような印象を持ちますね。
そして、同様のスペックのものを10年前に飲んだ時には認識できなかったような良い要素を含んでいたことが心に残ったのでした。
当時のものと現在のシーズニングカスクには確実にある程度以上の違いがあり、詰めたてを飲んでいない私にはその違いは想像するしかありません。
それでもストックにあるシェリーカスクのウイスキー達が25年後どうなっているのか楽しみになるような1本でした。
#グレンファークラス (GLENFARCLAS)