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クライヌリッシュ 1972-2000 28年 アデルフィ #14264 57.3%

中熟ハイプルーフの1972、満を持して?開けてしまいました。

 

クライヌリッシュ CLYNELISH 1972-2000 28yo ADELPHI #14264 57.3%

香りは蜜蝋ワックスと樹液、オイル、熟しすぎたマスカット、甘口の白ワイン、蜂蜜、紅茶、旨そうなモルティ、優しいオーク、フレッシュハーブや替えたての畳のグラッシー。
飲むとややパワフルなアタックがあるがヌルッとした粘性を感じるテクスチャーに移行、清々しい若葉のような鼻抜け、強いオイルとワックス、樹液、やはり熟したアプリコットやマスカット、モルティさも含む強い旨味、濃厚な蜂蜜のようなコク深い甘味、穏やかなオークのタンニン、淡いピート、長く心地良い余韻。

【Very Good/Excellent, Interesting】

アデルフィが2000年にボトリングしたクライヌリッシュ1972、28年熟成です。

1972年はクライヌリッシュのビッグヴィンテージと言われており、特にエクスチェンジが詰めたものなどが良く知られていますが、ほとんどのものが30年以上の熟成を経たものです。
30年未満だと私の思い出せる限りでは、UDレアモルトくらいでしょうか。
クライヌリッシュ1972は、私がモルトにどっぷりはまるきっかけになったモルトでもあり、このボトルもその頃に探して見つけたものですが、その後に追加購入する機会はもちろん、どこかで開いたという話も聞かないモルトでした。
なのでなかなか開けるきっかけが無く、度数も高く色も薄かったので、ボトリング後20年くらいは置いてから飲もうと決めていました。

結局20年は我慢できず、過熟気味の1972と比べてどうだろうという興味に負け、唐突に開けてしまいました。
しかし後悔はしていません。

まさに期待通りの香味で、第一印象からパワフルで、プレーンな樽感のおかげで独特の酒質がストレートに伝わってきました。
特に開けたてはアルコールが立っている刺激と独特の粘性が共に感じられる興味深い口当たりが印象に残りました。

クライヌリッシュ1972に期待する、溶剤臭くないワックスやオイルや樹液、粘性のあるヌルっとした質感がしっかりと感じられた一方で、やはりこれまで馴染みのある1972と比べると、刺激だけでなくマスカット感や清々しい若葉のようなニュアンスが強めに感じられました。
モルティさもヘタレ感がなく少しシャキっとした状態で保たれていたのも印象的でした。

典型的な個性をより感じやすい状態で飲むなら長熟のもののほうが良いのかもしれませんが、この中熟のスペックに期待したものがすべて詰まったモルトで、クセがあるのにしつこくないため、もうストックもないのにいくらでも飲めてしまいます。

なお、同じように名品の多い1982で同じような熟成期間のボトルとの共通点もありますが、そこは1972、深みと陶酔感が違うように思いました。

また、開栓後の時間とともに刺激が薄まりこなれてきたため、長期熟成した1972に近づいてきた様子ではありますが、開栓後1年程度で今のところボディは薄れていません。

期待した通りの素晴らしいモルトで、1杯で幸せになれますが、知っているバーや友人のストックにもないため、もうすぐなくなってしまうのがひときわ寂しいです。

このボトルは、購入したものを自宅でじっくりといただきました。

 

#クライヌリッシュ (CLYNELISH)

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