よりフルーティさが前面にでていました。
スプリングバンク SPRINGBANK 10yo OB 46%
NEW LABEL
香りは最初からフルーティ、オレンジオイル、うっすら桃とパイナップル、うまそうな麦と淡いチーズ、小麦粉っぽい粉っぽさ、ミネラル、タールっぽいピート。
飲むと柔らかい口あたり、噛み応えのあるテクスチャー、オレンジクリーム、フルーツケーキ、まったりとした甘味、強い塩気、穏やかな麦の旨味、海のミネラルとオイル、タールを伴うしっとりしたピート。
【Good/Very Good】
最新ロットのスプリングバンク、オフィシャル10年です。
最近ラベルが変更になったスプリングバンクのオフィシャルボトル、まだ日本には届いていませんが、この10年は海外の評判も良いとのことです。
スプリングバンクにしては開栓後早期からフルーティさがしっかりめに感じられるタイプで、香りからはオレンジ感に加えて桃やパイナップルのようなニュアンスも淡く感じられました。
粉っぽい凝縮感と旨そうな麦感もあり、らしいチーズっぽさや最近のバンクらしくタールっぽさを伴うピートも感じました。
飲んでみるとやはり凝縮感があり旨味は濃く、まったりと濃い甘味の後でらしい強いブリニーさが主張してきました。
もちろんピートも強めですが、一時のロングロウかと思うほど露骨に強い感じではありませんでした。
明確な原酒の味に加えて華やかなフルーツ感も一緒に感じられるスプリングバンクで、美味しかったです。
いまさらですが、スプリングバンクのスタンダードは本当に美味しいですね。
最近ブラインドで今の国内流通品の10年を飲みましたが、VGをつけてもいいと思うようなクオリティの高さでした。さらに良くなるでしょうし、買ってストックしておいたほうがいいかもしれません。
そういえば、最近自宅で開いていたスプリングバンクの「グリーン」の12年を飲んだら、70年代のプレーンカスク系のボトルによく似た味になっていました。
加水の開栓後ですから経年変化が早めに出てきたのだと思われますが、これは結構読み通りの変化でニヤニヤしてしまいました。
そもそも、フロアモルティング100%で昔と同じ作りを頑なに守っているというスプリングバンク。
現行品も麦の品種こそ最近のものですが、フロアモルティングによるやや不均一な精麦に加えて古いマッシュタンやウォッシュバックなどの設備のため、結局そこから作れるもろみの度数は低いままのようです。
アルコール収量を重視した大麦の品種改良で、最近のモルトは味が落ちたと言われています。
でも個人的には、最新の品種でもフロアモルティングをやって、作りの過程でもろみの度数を上げ過ぎなければ、かなり昔に近い味になるのではないかと思っています。
そんなわけで、ことスプリングバンクにおいては、昔のシェリーカスクのイチゴジャム感を期待できるかと言われると厳しいとは思いますが、バーボンカスクやプレーンに近いカスクでは時間経過でかなり昔のものと近い味になるというのが、最近では確信に近いものになってきています。
そんな中で出てきた今回のベアバーレイのスプリングバンクのローカルバーレイ、品種すらも昔に戻したらどうなるのか、とても楽しみです。
#スプリングバンク (SPRINGBANK)