クライヌリッシュっぽさと絶妙のバランスでした。
ブローラ BRORA 1974 27yo WILSON & MORGAN 46%
香りはクールな塩素や金属感、同時に暖かいアプリコットジャムやりんごジャム、樹液、ワックス、クレゾールと灰っぽさのある強いスモーク。
飲むと滑らかな口当たり、優しい粘性あり、パワフルに芳醇に広がる、アプリコットジャムや樹液、遅れて金属感、コクのある甘味とオイル、淡い砂利っぽいアーシー、スモーキーで長い余韻。
【Very Good/Excellent】
ウィルソン&モーガンがボトリングしたブローラ1974、27年熟成です。
70年代初めのブローラには同時期のアードベッグのようなクールな金属感や塩素っぽいニュアンスを鋭いピートと共に派手に感じることが多く、80年代に向けて徐々にクライヌリッシュのような粘性を帯び、アプリコットジャムや蜜蝋ワックス、樹液といったニュアンスが強まっていくというイメージを持っています。
思い返せば初めて買って飲んだのが1981のシグナトリーで、もろにピーティなクライヌリッシュというイメージだったのですが、その後に70年代前半のこれぞブローラというガツンとした香味を知り、その認識を改めさせられたのを覚えています。
私が前回飲んだブローラがオールド&レアの1972で、そちらはまさにという鋭くクールなブローラでしたが、今回のものは上記テイスティングノートのようにそれに温かいクライヌリッシュの要素が同時に感じられました。
香りよりも味わいでは温かいニュアンスのほうが前に出ていた印象で、粘性のある独特のフルーツや樹液、コクのある温かい甘味があり、その一歩後ろから独特の冷たく鋭い金属感やピートが主張してきました。
私の好きなクライヌリッシュのニュアンスと同時に、香り、味わいのいずれにおいてもブローラらしさがしっかりと感じられたのがとても印象的で、不思議と一体感もあるように思いました。
その辺が絶妙のバランスで、非常に美味しく感じました。
#ブローラ (BRORA)