完全に突き抜けた個性全開のブローラ、感激します。
ブローラ BRORA 1972-2002 29yo DOUGLAS LAING Old & Rare 59.5%
one of 240 bottles
香りはパワフル、鋭いピートと塩素、かなりスモーキー、ワクシー、熟しすぎたりんごやアプリコットなど独特のフルーツ感、ナッツ、砂利道のアーシー、リッチで複雑。
飲むとスパイシーな口当たりからパワフルに広がる、香り同様の独特の熟しすぎたフルーツ感、ワックス、コクのある甘味だがキレが良い、鋭くクールなピートと金属感、どこか獣っぽさもあり、長く個性的な余韻。
【Very Good/Excellent】
2002年にダグラスレインがオールド&レアとしてボトリングしたブローラ1972、29年熟成です。
香りには力強く鋭いピート感が土っぽさと共に前面に出ており、らしいワクシーさや熟しすぎて腐りかけているような独特のフルーツ感も奥から感じられました。
飲んでもパワフルで強い樽感はなく、香り同様のナチュラルな熟成感のあるフルーツと強烈かつ独特な鋭いピートがかなりしっかりと主張してきました。
甘味はあるのですが鋭くクールなニュアンスのためかまったくべたつかず美しく切れます。
非常に個性的な香味ですね。
29年の熟成を経ていますが、完全に長熟向けの樽で熟成したようで全く過熟感はなく、度数も高く非常にパワフルでまだ若々しさすら感じます。
70年代前半以前のブローラには、強いピートと共に鋭い金属感やクールなニュアンスを感じることが多いのですが、このボトルには特にしっかりと感じました。70年代前半のアードベッグなんかにもちょっと似たニュアンスです。
1972はクライヌリッシュとブローラ、ともに当たり年とよく言われるヴィンテージですが、似た香味を持つこの兄弟蒸留所が暖と冷の方向性も含めてもっとも異なった個性を輝かせているヴィンテージのようにも思います。
このスペックのブローラは超高額になってしまいましたし、もう飲む機会もそうないでしょう。
もう二度と会えないかもしれないと思いつつ、じっくり味あわせていただきました。
#ブローラ (BRORA)