甘やかなシェリー感のラフロイグです。
ラフロイグ LAPHROAIG 1996-2016 20yo SPECIALITY DRINKS "MASTERPIECES" 50.6%
PEDRO XIMENEZ SHERRY BUTT
香りはまったりと甘やかなシェリー、プラムジャム、アップルタルト、チョコレート、少しシナモンやハーブ、ヨードもある強いピート。
飲むと滑らかな口当たりから芳醇に広がる、ベリーやプラムのジャムとそのまったりとした濃い甘味、少し引き締めるウッディネスとハーブリキュールの渋味、魚介ダシの旨味、強いピート、余韻は甘やかで長い。
【Good/Very Good, Interesting】
ウイスキーエクスチェンジからニューリリースのラフロイグ1996、20年熟成です。
このマスターピースは、エクスチェンジの代表者であるスキンダー氏がマスターピース=傑作と呼べる特別な樽を選んだというシリーズでしょう。
今まで、ロングモーン、ボウモア、クライヌリッシュ、カリラ、ブルイックラディの樽が選ばれていますが、ボウモア1993こそ傑作として認識されていますが、個人的にも私の周囲の評判でも、他はそこまで特別なものではなかったという印象です。
特に前回の若いブルイックラディは私の好みではありませんでした。
そんな流れで今回のリリースはラフロイグ。
スキンダー氏というと、今まで素晴らしいラフロイグを数多くリリースしてきた実績があり、ラフロイグの樽選びはかなり信用できると思っているため、今回のリリースは楽しみでした。
実際に飲んでみると、結構びっくりするくらい甘いラフロイグです。
ペドロヒメネスがたくさん残っていた樽なんじゃないかと思うくらい、香りにも味わいにも濃厚なフルーツとケーキのような甘やかさが前面に出ていました。
PXカスクって想像より甘くないものが多いイメージでしたが、これは本当に甘いです。
口当たりから最後までずっとまったりとした甘味があり、ウッディネスやハーブ系の渋味などの引き締め要素もあるのですが、太刀打ちできないほど甘やかさが突出していました。
もちろんダシっぽい旨みやヨードのある強いピートなど、ラフロイグらしいピーティな個性はしっかりと感じられました。
ちょっと変則的な樽ですがあまり類を見ない興味深いラフロイグで、まさにデザートウイスキーという感じでした。
王道ではありませんが、個性的でおいしいという意味でマスターピースと呼んでも良い気がします。
#ラフロイグ (LAPHROAIG)