大地を感じるようなアーシーさが印象的でした。
スプリングバンク SPRINGBANK 8yo OB 43%
70年代流通
香りは華やかで強い、心地良いオールド感、シトラスとフリーズドライしたヘタ付きのイチゴ、フレッシュな強い若葉、爽やかなフローラル、強く乾いた麦、ミネラル感しっかり、土っぽいピート。
飲むと優しい口当たり、レモン、フリーズドライのイチゴ、若葉、優しい甘味と酸味、魅力的な香水感、ミネラリーでブリニー、染み込むようなテクスチャー、かなりアーシーでしっかりピーティ、心地よい余韻。
【Very Good】
70年代流通と思われるスプリングバンク8年、加水のオフィシャルボトルです。
よく見ると、あまり見ないボトルの肩に通常より丸みを帯びた形状です。
香りからはノンシェリーのオールドスプリングバンクに私がしばしば感じるフリーズドライのイチゴや若葉のような植物感が強く感じられ、華やかなフローラルさもあり、麦感もしっかりと残っていました。
キャンベルタウンらしいミネラルっぽさも強く、そして何よりかなり土っぽいニュアンスとピート感が強く感じられたのが印象的でした。
飲んでもオールド感とは別にフレッシュなニュアンスがあり、香り同様のフリーズドライのイチゴに加えてさっぱりしたレモンや若葉が感じられました。
うっすらと香水のようなパフューミー要素も感じましたが怪しさを帯びておりプラスに作用しており、こなれた優しい甘みと上品な酸味、そしてらしいブリニーさがしっかりと主張してきました。
香りに感じたようなアーシーやピーティは味わいにも健在で、大地を感じるようなスケール感でした。
総合的にみると、60年台蒸留の長熟プレーンカスクで出てくるようなフルーツやフローラルがあり、それに麦と土とピートを足したような印象のモルトでした。
ボトリング直後がどんな味だったのか想像がつきませんが、加水オールドボトルにたまに感じる経年変化で出てくるようなパフューム要素があったことを鑑みると、この複雑な香味にはボトリング後の変化で出てきた要素も多いのではないかと思いました。
もともと多彩な要素を持った太い原酒だったものが加水ボトリング後に経年変化してこうなったと考えるのが妥当な気がします。
小ロットが多く同じデザインのボトルでも味が違うものが多い印象のスプリングバンクですが、そんな中でも特に突き抜けた多彩さと美味しさ、そして面白さを持ったボトルだと思いました。
コンディションも含めてオールドボトルにはギャンブル要素がありますが、こういう当たりがあるからやめられませんね。
#スプリングバンク (SPRINGBANK)