ハウススタイルに華やかさが加わったような素晴しいクライヌリッシュでした。
クライヌリッシュ CLYNELISH 1973 33yo Prestonfield #8912 54.3%
one of 405 bottles
香りは非常に華やか、洋ナシ、熟しきる前のメロン、白ワイン、フリーズドライのイチゴ、しっかりフローラル、淡くワックスとオイル、乾いた麦感、タールとスモーク、複雑で陶酔感あり。
飲むとじわじわとスパイシーになり芳醇に広がる、洋ナシとフリーズドライのイチゴ、その心地良い甘味と酸味、染み込むような麦感とその旨味、強いブリニー、しっかりとスモークとタール、オイル、ブリニーな長い余韻。
【Very Good/Excellent】
プレストンフィールド向けにボトリングされたクライヌリッシュ1973,33年熟成です。
最初から非常に華やかで熟成感のある香りの立ち上がりがあり,うっとりしてしまいます。
しっかりと洋ナシや白ワイン,青さの残るメロン,また昔のプレーンカスクのスプリングバンクに感じるようなフリーズドライのイチゴのようなニュアンスが印象的でしたし,フローラル要素もしっかりと感じました。
それにちょっと遅れるように,奥からクライヌリッシュらしいワックスやオイル等の重めのニュアンスが控えめに顔を出してきます。またタールっぽさを伴うピートのニュアンスも結構しっかり感じました。
非常に複雑で,かつ陶酔感のある香りでした。
飲んでも香り同様に熟成感のある多彩なフルーティが主張し,華やかですが芳醇な広がりもあり,ピートの主張もあり,粘性こそそこまで強くなくフルボディとまでは言えませんが厚みもありました。
経年変化によると思われるしみ込むようなテクスチャーもあり,ハウススタイルのオイリーさや麦の旨味も残っていました。
意外に特徴的だったのはブリニーさが強かったことで,フリーズドライのイチゴ感とも相まって,ブラインドで飲んだらスプリングバンクと予想しそうな香味でした。
1972に代表されるような私の中で最も"らしい"クライヌリッシュは,プルトニーなどとも共通で熟成してもあまり華やかな熟成香を伴わないものが多い印象ですが,このボトルにはその華やかさがしっかりと感じられました。
それがこのボトルの稀有な魅力だと私は感じました。
#クライヌリッシュ (CLYNELISH)