自分の変化に気づかされるボトルでした。
クライヌリッシュ CLYNELISH 1994-2005 10yo EXCLUSIVE MALTS 51.8%
・香り:
プラムジャム,ドライオレンジ,熟したアプリコット,カラメリゼしたナッツが強い,わずかだが生っぽさを伴うシェリー感,蜂蜜,オイリーでリッチ,ややワクシー,奥からしっとり麦感,デニッシュ,奥からピート。
・味わい:
滑らかな口当たりから広がる,ヌルリとした粘性あり,徐々にスパイシー,シェリー,アプリコットジャム,蜂蜜,キャラメリゼしたナッツ,コクのある甘味,少しエグ味のある土付きの根菜と豆,ハーブ,少しダシ醤油,奥から麦の旨み,ほど良い渋味,淡いピート,後半はオイリーで,ボディは厚め。
・余韻:
ジャム系の甘味とオイリーでナッティなニュアンスが長めに残る。
・加水:
シェリーが弱まりワクシーさが強まる。クライヌリッシュっぽさは増す。
・総評:
少々生っぽさもあるシェリー感だが,リッチなクライヌリッシュ。
ハウススタイルはシェリー感の奥に感じられ,加水でも引き出される。
熟成年数の割には未熟感もなく,よく仕上がっている。
【Good/Very Good】
クライヌリッシュ1994,10年熟成。エクスクルーシブモルツの初期のラベルです。
記載はありませんが,テイスティングしてみるとちょっと生っぽいような近年のニュアンスを伴うシェリーカスクでの熟成を感じます。
このボトル,約9年前の発売当時に買って飲んだのですが,ハウススタイルが良く出たボトルだなと思いながら,すぐに1本飲みきってしまったボトルでした。
たまたま機会があったので,ちょっと割高でしたが思い出のボトルと思い購入しました。
しかし今回飲んでみると,記憶にあるような香味ではなく,やや近年シェリーの勝ったものでした。
もちろんリッチで美味しいボトルではありますし,近年蒸留で10年熟成というスペックのわりにはよく仕上がったボトルでした。
しかし,9年前と比べるとテイスティングで拾えるものは良い部分も悪い部分も増えたようで,今回のボトルのように昔良い部分だけを感じて飲んでいたものに関しては,今飲むと少々残念な気持ちになることもあるようですね。
もちろんボトルに罪はありませんが,この9年間で自分が変化したことを感じてしまったボトルでした。
#クライヌリッシュ (CLYNELISH)