山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。
モルトの会、テイスティングノート
2013.4.28 スタンドバーにて
今月のお題は、「マッカラン」である。
知名度では1、2を争うビッグネームである。しかしこの会では、どうも評価が芳しくないのは前にも話した通りである。 ファーストフィルのシェリー樽を多用するあまりデメリットの方が大きく出てしまったためだ。それは、こげたゴムとよく表記されている。
さてそんなマッカランであるが、どうもここ最近変化があったと感じている。 それは昨年ブラインドでオフィシャルボトルの12年ものをテイスティングしてからである。
かつて、まさにこげたゴムと評される、トースティ、かつ湿気た味わいが影をひそめたため、2度ならず、3度もオフィシャルボトルを当てることができなかった。
そして今回の5本である、イオウ臭、こげたゴムというキーワードは出てくるが、それを補って余りあるプラス要素があったのである。ようやくマッカラン、本領発揮といったとろであろうか。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] ケルティックコネクション マッカラン バーボン/ソーテルヌワイン・ダブルマチュード 111/297 1991-2006 50% ***
(香り) 焦がした砂糖の香り、それほどくどい物では無い。しばらくすれば何とも心地よいスィートな香りで満たされる。 さらにはバニラの香り、エステリーなフルーツが香ってくる。奥には上品な酸味が甘さとバランスするように香る。
(味) まずバニラを感じるが、しだいに上品な甘みが口に広がってくる。さらには熟成由来のウッディな渋さもひろがる。味の数も多く、ゆっくり味わいたいモルトである。
*** [No.2] SMWS No.24.97 1990-2007 16年 57.0% ***
(香り) トップノートはイオウ臭、焼けた香りも。トースティかつ甘い香りが広がる、ラムを連想させる。 奥にはエレガントな香りもあり、グラスを回しているとマイナスの成分が弱くなっていくようだ。わずかにこげたゴムを感じる。
(味) 湿気た含み香がまず広がる。しだいにトースティで香ばしく感ずる。加水すると焦げたゴムは強くなるが、香水のようなエレガントな香りが抜ける時もある。
*** [No.3] ベスト・カスク・スコットランド マッカラン ファーストフィル・カスク 1991-2007 57.3% ***
(香り) 硬質な香りだ、金属の香りをイメージする。奥にはバニラの香りも。香りの数はそれほど多く無い。
(味) 湿気た含み香。焦げたゴムも少々。単調な味わい。
*** [No.4] アデルフィ マッカラン cask no.14995 16年 57.4% ***
(香り) トップノートは爽やかな香り。軽くて、みずみずしいフルーツだ。ややいがいがした香りもあるが、甘い香りが包み込むように広がってくる。
(味) フルーツの味わいが広がるが、実は意外とドライ。ややアルコール感が強い。注意深くすれば濡れたダンボールの香りがする、麦芽風味と表現してもよい。
*** [No.5] ダンカンテイラー マッカラン cask no.9794 24/271 1987-2006 18年 58.4% ***
(香り) トップノートは上品なエステル香。その後、甘いバニラ香が心地よく香る。さらにはエレガントな酸が鼻を抜けていく。たいへんバランスよく、香りの数も多い。
(味) フルーツをいくつも感じる、やさしい甘さに安らぎを覚える。旨みも感じられ、深い味わい。ややアルコール感を感じられる時もある。明るい酸味のフィニッシュ。
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