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コニサーズクラブ(11/5/22)テーマ「ロングモーン」

ロングモーン1105山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2011.5.22 スタンドバーにて

 今月のお題は、「ロングモーン」である。

 ロングモーン、最も期待され、かつ期待を裏切らない、ひと言で言えばそんなモルトである。

 巷での評価は定かではないが、この会においては特別評価が高い蒸留所のひとつといえよう。

 ウッディかつ心地よい渋味を身上としているが、今回はいつもと較べるとやや出来が悪いかもしれない。まあそれくらい期待されているということである。

  さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] キングスバリー フィネスト・アンド・レアレスト ロングモーン ホッグスヘッド 1980 26年 52.6% ***

(香り) トップノートはエステリーでフルーティ。香りの立ちは非常に早い。やや香ばしい印象もあり香りは複雑である。しばらくするとバニラが見え隠れする。

(味)  たいへんフルーティであるが、甘さはそれほど感じない。やや湿気た味わいもある。フルーツの数はたいへん多く、バラエティ豊かだ。

*** [No.2] ウイスキーエクスチェンジ ロングモーン 1990-2010 1/224 19年 56.4% ***

(香り) ヌカの香りのトップノート、次にトースティな香りが立つ。まったりと香り、シェリー樽の個性もある。しかし、若さ由来のモルティな香りは消し去ることはできない。アルコール感も強い。

(味)  香りと同じくトースティ、アルコール感も強い。ややドライで味の数は少ない。

*** [No.3] SMWS No.7.56 リフィルホッグスヘッド/EXバーボン 1/193 25年 56.8% ***

(香り) トップノートはエステリー。たいへん爽やかな香りで、青空のようだ。ミント、ハーブも感じられる。酸味のある香りは、梅の香りに近い。

(味)  ドライではあるがフルーティー。甘い含み香もある。やや味の数が少ない。

*** [No.4] キングスバリー ロングモーン 1964-1996 cask no.52 31年 59.0% ***

(香り) トップノートは樹液の香り。独特な香りに浸るひまもなくフルーティな香りがいくつも現れる、非常に濃い香りだ。ややトースティな香りもある。  エステリーな熟成香は素晴らしく、香りの数もたいへん多い。さらにバニラの香りも現れる。樽由来のウッディな香りが素晴らしく、香りの余韻は長い。

(味)  味わいでも、フルーティ、エステリー、ウッディの三拍子。バランスを取るための酸味も忘れてはいない。  フルーティでありながらドライな印象は、枯れた大人の味わいというべきか。素晴らしく良い熟成を経たと感じるモルトである。

*** [No.5] ゴードン&マクファイル ロングモーン 1st fillシェリー 1969-2009 cask no.5293 17/405 59.3% ***

(香り) エステリーかつトースティなトップノート。非常に濃い香り、やや単純な香りではあるが、たいへん出来の良いシェリー樽熟成と感じる。

(味)  やはり、エステリーかつトースティな印象。味には旨みが感じられ、含み香はウッディだ。  フィニッシュに近づくと、心地よい苦味を感じさせる。

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