山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。
モルトの会、テイスティングノート
2011.4.24 スタンドバーにて
今月のお題は、「カリラ」である。
とにかくお題として取り上げられることが多い蒸留所であり、北の巨人ハイランドパークと双璧といえよう。流通量も相当多く、ボトラーズの種類も多いのであろう。
そんなカリラではあるが、今回の5本は香りだけで判断すると軽いピートに多彩な香り、ちょっとピート強めのハイランドモルトと感じた。しかし一転して味はピートが強くアイラものであることを強く意識したのである。
枯れたピートのモルトもあり、ピートだけに終わらないバラエティ豊かな個性は、とにかくシャープなピートの印象があるカリラに結びつけることはできなかった。長熟のアイラモルトとはそんなものなのだ。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] オールド・モルト・カスク カリラ リフィルバット one/266 1979-2010 30年 50% ***
(香り) トップノートは金属的な香り、イオウの香りも。かすかにピートが感じられる。注意深くすれば、かすかな熟成を感じ取れる。 しだいに臭みを感じる香りに変化してくる。
(味) やはり味にも臭みを感じる。それを取り除けばフルーティさはある。
*** [No.2] ブラッドノック・フォーラム カリラ ホッグスヘッド one/87 1984-2010 25年 54.3% ***
(香り) トップノートはフルーティ、しだいに甘い香りと香ばしさに満たされる。軽いピート香。キャラメルの香りが見え隠れする、バーボン樽熟成か。
(味) まずフルーティさが広がる、その後中程度ピートに満たされるがしっかりとした熟成感がある。
*** [No.3] ダンカンテイラー ピアレス オーク 101/223 1982-2009 27年 55.1% ***
(香り) まずイオウの香りを感じる、臭みをともなうが嫌味ではない。アルコール感が強いがドライというわけでは無い。わずかな熟成感が長熟であることを予感させる。 時間とともにエレガントな印象となる。
(味) 中程度のピート。金属を感じる味わい。けっして味の数は少なくは無いが、テイスティングメモの数は少ない。
*** [No.4] SMWS No.53.140 リフィルホッグスヘッド 1/269 1992 18年 55.9% ***
(香り) 香りの立ちが遅い。しばらくグラスを回しているとキャラメルの香りがでてくる。さらに時間を掛けるとしだいにエレガントな香りとなってくる。 中程度のピート香、いがいが感。香りの数は非常に多い。
(味) 強いピートではあるが、それに負けないフルーツ。酸味もたいへん心地よい。
*** [No.5] ウイスキーエクスチェンジ カリラ ホッグスヘッド 1984-2008 24年 58.2% ***
(香り) まず臭みといおうの香り。しだいにフルーティに変化してくる、キャラメル香も素晴しい。 ほどよい酸味がアクセントとなっている。
(味) フルーティだがドライ。ピートも中程度に効いている。味の数は少なくなさそうだが、ピートにマスキングされている。
#Connoisseurs Club #Tasting Note