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コニサーズクラブ(11/3/27)テーマ「ハイランドパーク

ハイランドパーク山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2011.3.27 スタンドバーにて

 今月のお題は、「ハイランドパーク」である。  お題として取り上げられる蒸留所としては、最多に数えられるひとつであろう。それだけビッグネームであり、かつ期待されているモルトなのである。

 そんなハイランドパークではあるが、シェリー樽熟成のモルトは良いが、その他の樽で熟成されたものはよろしく無い。モルトの会ではそう言われた時期もあったが、ここ最近では高評価を取り戻している。
 今回の5本もハイランドモルトらしく、シャープでドライ、さらに軽いピートをスパイスにしており、落ち着いた熟成香が漂う、まさに通好みの5本だった。当然メンバーの評価も高かったのである。

 さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] SMWS No.4.121 1986-2007 20年 51.0% ***

(香り) トップノートはハーブとミント。たいへん爽やかである。ほどよい酸味漂う香りが素晴らしい。香りのバランスが取れて実にエレガント。

(味)  まずドライに感じるが、ほのかにフルーティ。しだいに中程度の熟成感が広がってくる、ウッディな熟成感だ。フィニッシュに軽いピート。

*** [No.2] ダンカンテイラー ハイランドパーク RUNRIG 2009 1987 22年 51.4% ***

(香り) トップノートはミント。香りの立ちが遅く、最初はややドライに感じる。しだいに香りは開いて来てキャラメル香が感じられるようになる。たいへん深い香りに変化し、香りの数も増してくる。

(味)  熟成を感じられるウッディな含み香が素晴らしい。フルーティではあるが意外とドライ。加水をすればフルーティな印象は深まり、トロピカルフルーツが出現する。

*** [No.3] シグナトリー ハイランドパーク cask no.2274 151/235 1986-2010 23年 53.4% ***

(香り) まずミント香り、たいへんエレガントだ。酸味と甘さがバランスしている。最初は長熟を予感させる程度であるが、しだいに香りは深まり素晴らしい熟成香となる。甘い香りもアクセントだ。

(味)  香りからすると意外にドライだ。しだいにカラフルになり、ドライフルーツがいくつも味わうことができる。後半には中程度のピートが感じられるようになる。

*** [No.4] セレブレーション・オブ・ザ・カスク ハイランドパーク ホッグスヘッド cask no.878 80/263 1988-2010 54.6% ***

(香り) まず梅の香りが立つ。エレガントで爽やかな香りだ。いっけん香りの数は少なく感じられるが、時間とともに深みを増しながら複雑な香りとなる。

(味)  フルーティではあるが、奥には熟成由来の渋みが感じられ、長熟であることが窺い知れる。時間とともにウッディな味わいは深みを増してくる、フィニッシュは長い。

*** [No.5] ウイスキーエイジェンシー ハイランドパーク エクストラバーボン one/132 1985-2010 25年 54.6% ***

(香り) たいへん深い香り、すぐさま熟成を感じる香り。それは幾種類もの樽香や、香りの数の多さから窺い知れる。しだいに酸味を感じるようになり、華やかさを増してくる。

(味)  ウィッディな味わい、それほど押し出しは強くなく控えめであるが、たいへん上質のものだ。香りほど味わいは複雑ではなく、またドライである。

#Connoisseurs Club #Tasting Note

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