山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。
今月のお題は、「アードベッグ」である。
2007年7月のお題もアードベッグであったが、テイスティングノートの書き出しはこうだ。
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アードベッグといえば、アイラモルトのなかでも特にピートを焚いたモルトであり、かつてはそのハードさを売りとしていた。
しかしビッグネームでありながら、湿気っぽい、かび臭い、熟成感が無いなど仲間内では、それほどよい評価が得られていない蒸留所でもあった。
今回5本のテイスティング後、ピートが効いていながら穏やかな利かせ方で、枯れたピートを楽むことのできる大人のアイラという印象をもった。
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そして今回5本をテイスティングしてみると、上の前半の芳しくない印象が再度出てきてしまうのである。どこか湿気っぽい、かび臭い、暗い、どこか異質な。そんなマイナーなコメントが出てきてしまったのだ。
シェリーの良い面、悪い面も強くでており、ピートとシェリーの使い方の難しさを再認識した次第だ。
さて、今月のモルト5本を紹介しよう
*** [No.1] ダンビーガン アードベッグ 794/800 1994 15年 48% ***
(香り) トップノートは酸味とミント。たいへん上品な香り、かすかにピートを感じる。しだいにピート香は強さを増してくる。
(味) 強いピート、多少の酸味があり飲みやすくしている。ややドライ。味の数は多くない。
*** [No.2] オールドモルトカスク アードベッグ ラムカスク 1/334 1991-2007 16年 55% ***
(香り) オイルにまみれた工作機械の香り、独特の香りだ。まったりとして重い。ラム酒の香り。奥にはエレガントな香りもあるが、焦げたゴムの香りにかき消される。
(味) やはりオイルにまみれた工作機械の香りである。ラム酒の味わい、たいへんドライ。
(もちろんテイスティングノートはブラインドテイストである)
*** [No.3] SMWS 33.73 アードベッグ シェリーゴーダ ファーストフィル 1/782 10年 57.8% ***
(香り) まったりとして、深い香り。キャラメルの香りも。しだいに汗臭い、あるいは酸化した、そんなマイナーな印象が深まる。泡盛の香りも。
ピート香は時間ととも強くなる。
(味) やはりまったりと深い味わい。強いピート。きわめてトースティーで特殊な味。
シェリーの個性。湿気たフィニッシュ。
*** [No.4] テイストスティルコレクション アードベッグ cask.no.2900 1/271 1990-2006 58.6% ***
(香り) トップノートはエレガントでミントの香り。しだいにまったりと濃い香りになる。ピートは時間とともに強くなってくる。
シェリー樽由来の硫黄の香りが強い、強いピートとシェリーが反発しているようである。
(味) 湿気た味わい。やはりピートとシェリーの取り合わせがうまく行っていないようだ。
*** [No.5] イアンマクロード アードベッグ cask no.115 1999-2009 10年 58.7% ***
(香り) 香りの立ちが遅い、軽いピート香。しだいにふくよかな香りが立ってくる、それでいながらエレガントである。
しだいにピートが強くなるとともに、華やかな香りが出てくる。
(味) とてもシャープなピート。クレオソートの香りも強い、典型的なアイラモルトである。味の数は多くない。
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