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コニサーズクラブ(12/3/25)テーマ「カリラ」

カリラ山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2012.3.25 スタンドバーにて

 今月のお題は、「カリラ」である。

 モルトの会では最多出場を誇る蒸留所であろう。それだけたくさんのボトラーズものが出回っているのであるが、劣らず人気も高いのである。

  毎回感じることではあるが、カリラは甘いということだ、今回も甘いと感じたモルトが2本ある。世間一般の風評とは正反対なことに驚く。

 それにしてもカリラといえばシャープなピートが売りで、5本も集まれば1本は強烈なピートの個性を感じる物がありそうであるが、今回はそんなとがったモルトは一本も無かったのである。 多彩な香り、エレガントなフルーツ、ハッカ、ミントなどなど、ピート香を取り除けばまるでスペイサイドだ。

 そんなことで今回も最後までカリラとは思えなかったのである。

 さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] キントラー カリラ EX-バーボンホッグスヘッド cask no.5395 57/60 1984-2010 25年 51% ***

(香り) トップノートはミント。北国フルーツ主体、香りは強くない。その後エレガントな南国フルーツに変身する。バーボン樽由来のキャラメル香も感じられる。しだいにピートが強く香る。

(味)  南国系のフルーツ、それもかなり濃い。ピートは強く、口の中を支配する。軽いパフュームを感じる時がある。

*** [No.2] ウイスキーエクスチェンジ カリラ ホッグスヘッド 194/200 1991-2009 18年 56.1% ***

(香り) トップノートはハッカ。次にいがいがとした香り、ピート由来のものであろう。時間が経てばキャラメル香も広がってくる。

(味)  まず感じるのはキャラメル風味、すぐさま強いピート。軽くパフュームも感じられる。やや単純な味わい。

*** [No.3] ブラッカダー カリラ 1983-2009 35/194 25年 56.1% ***

(香り) たいへんエレガントなフルーツが香る、上質なエステル香も。フルーツは梨とブドウ、しだいに香りは濃くなっていくが、下品にならずエレガントを崩さない。  ピート香は中程度に香る、熟成香も素晴らしい。

(味)  甘い味わいがほっとするモルトだ。フルーツはたいへん濃い。もちろんピートが主体であるが、遅れて熟成感が出てくる。

*** [No.4] アランビック・クラシック リフィル・ホッグスヘッド cask no.8102 1995-2008 13年 59.1% ***

(香り) まったりキャラメルのトップノート、しだいに北国フルーツ。中程度のピート香、わずかではあるがタクアンの香り。しだいに南国フルーツの甘い香りに満たされる。ハッカの香りも。

(味)  甘い味わいが心地よい、フルーツの競演。すぐさまピートが強くかぶさってくる。アルコール感が強い。

*** [No.5] デュワ・ラトレー カリラ シェリーバット cask no.11145 1993-2011 1/584 18年 56.7% ***

(香り) シェリー樽由来の香りが強い、ただし嫌味は感じられない。奥にピート香、たいへんトースティ。

(味)  濃いフルーツ、シェリー樽由来の味わい。ピートを強く感じる、焦げたゴムも感じられ、ピートとのマッチングは良いとは言えない。

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