山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。
モルトの会、テイスティングノート
2011.8.28 スタンドバーにて
今月のお題は、「リンクウッド」である。
リンクウッド なんて繊細で、かつふくよかさをイメージさせる韻であろうか。それほどメジャーな蒸留所ではないが、そんなネーミングからか、飲む前から期待に胸を躍らせてしまうのである。
爽やかなフルーツ香と、エレガントなシェリー樽由来の香り、まったりとふくよかなキャラメル香、そんな印象をリンクウッドにはもっている。
今回の5本もそんな期待を裏切らないものであったといえる、ただし期待の強すぎた方々には多少の裏切りはあったのかもしれない。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] ブラッドノックフォーラム リンクウッド ホッグスヘッド cask.no 1625 1984-2010 213/264 26年 53.2% ***
(香り) まず質の高いフルーツが香る、追ってミント系のシャープな香りが立ってくる。しばらくすれば甘い香りに満たされるが、ほどよいものだ。軽いピート香が感じられる。
(味) 言葉は悪いが「どす甘い」そんな味わい。トースティな印象もある、ただしシェリー樽由来のものとは異質の香ばしさである。
*** [No.2]ダンカンテイラー リンクウッド 1991-2010 cask no.10238 138/278 19年 53.5% ***
(香り) ライトなフルーツ香。ミントの爽やかさを感じながらグラスを回していると、しだいにエレガントな印象になってくる。 奥にはパフュームを感じるが、消えてしまいそうなものだ。軽いピート香と麦芽風味。
(味) ドライな味わい。やや嫌味な甘さが感じられる。かすかにシェリー樽由来の含み香も。
*** [No.3] エイコーン ギャラリーラウンジシリーズ リンクウッド ホッグスヘッド 1984-2010 cask no.00059 62/120 26年 53.7% ***
(香り) トップノートはエレガントなフルーツ。リフィルシェリー樽によるものだろうか、軽いシェリー香。 ほどよく甘く香り、リラックスできる香りである。
(味) 一転して、味わいはドライである。加水すると味わいは開いてきて、高級フルーツがたくさん出現する。
*** [No.4] ケイデンヘッズ リンクウッド ポート one/256 1989-2010 20年 55.4% ***
(香り) 軽いフルーツ香。ジーンといがらっぽい、軽いピート香であろうか。その後、軽くミントが漂う。控えめなシェリー香はリフィルシェリー樽熟成か。
(味) ドライフルーツの香り、爽やかミントも。ほど良い酸味が軽い甘さとバランス。旨み成分が強い。
*** [No.5] ウイスキーエクスチェンジ リンクウッド one/287 1988-2008 19年 56.9% ***
(香り) やや若い香り。しだいにエステリーな香りが出てくるが、香りは単調だ。さらに時間が経過すれば、バニラ香が広がるようになる。
(味) まず酸味を感じたあと、エステリーが広がる。やはり単調な味わい。
#Connoisseurs Club #Tasting Note