山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。
モルトの会、テイスティングノート
2012.5.27 スタンドバーにて
今月のお題は、「ロッホサイド」である。
ロッホサイドといわれて、どこに位置する蒸留所かすぐにピンとくるモルト飲みは、そうとうなマニアであろう。
そのくらいマイナーな蒸留所といえる、ちなみに東ハイランドの南に位置しており、グレネスク蒸留所が近くにある。
東ハイランドといえばほとんどの蒸留所が閉鎖されているが、ここロッホサイドもご多分にもれず閉鎖されており、セラーも1992年に取り壊されているという。
さてこのロッホサイドのモルトたち、どこで熟成されたのであろうか。そんな疑問はここロッホサイドに限ったことではないが、世間であまり取りざたされることは無い。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] オールド・モルト・カスク ロッホサイド リフィルホッグスヘッド 1/315 1991-2010 19年 50% ***
(香り) トップノートは砂糖水を連想させる香り。アルコール感が強く、フルーツが出てこない。奥にはわずかにバニラ香。全体的には単純な香りである。
(味) ドライで味の数が少ない。テイスティング・メモが少ないことから印象に残らないモルトだったといえよう。
*** [No.2] キャプテンバーンズ ロッホサイド 1981-2010 50% ***
(香り) トップノートは甘いバニラの香り、それもかなり強いものだ。砂糖水を感じさせる香り。
(味) かなりドライ、単純な甘さを感じる。
*** [No.3] スコッチモルト・セールス ロッホサイド チィル・ナン・ノク 1981-2010 51.1% ***
(香り) トップノートはフルーティ、追ってミントとハッカの香り。酸味が心地よく、たいへん爽やか。澄み渡る青空を思わせる香りだ。
(味) たいへんフルーティである、それも上質である。フルーツの種類は多くは無いが、十分満足できる味わいだ。
*** [No.4] ザ・ウイスキーエイジェンシー ロッホサイド 1/183 1981-2010 29年 54% ***
(香り) エステリーでたいへん濃い香り、追ってミントの爽やかさ。その後、甘い香りが優しく広がってくる。ややアルコール感がある。
(味) シェリー樽熟成の味わい、それは強いものではなく、ほのかに上質のものだ。わずかにトースティ。 軽くウッディーに香り、長熟を感じさせる。
*** [No.5] ウイスキーエクスチェンジ ロッホサイド オロロソシェリー 1981 57.5% ***
(香り) エステリーで深みのある香り、濃い色からシェリー樽熟成と想像するが、意外にもバニラの甘い香りが、バーボン樽熟成の個性と感じさせる。 奥にはエレガントな香り。
(味) 香りからすると意外にもドライ。わずかにえぐみを感じる。奥にウッディな含み香、長熟を予感させる。