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コニサーズクラブ(13/8/25)テーマ「カリラ」

カリラ山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2013.8.25 スタンドバーにて

 今月のお題は、「カリラ」である。

 7回目、この記事をよくご覧になられている方なら、大よそは見当がつくキーワードであろう。そう「カリラ」がこの会に登場した回数である。

 マスターがカリラを好きなのか、メンバーに好きな方が多いせいか、はたまた巷に出回っているカリラが多いせいなのか、飛び抜けて登場回数の多い蒸留所である。 カリラといえば、シャープなピートがまず頭に浮かぶのであるが、そんな風評とはうらはらに前回2012年3月のテイスティングノートでは「甘い」と評した。 そして今回カリラはどう感じたか。

 南国フルーツがこってりと香り、それを引き立てるべく酸味がほどよく香っている、もちろんピートは弱くないのでアイラモルトである。ブラインドテイスティングをしていると、ラフロイグかボウモアが選択肢として残る。 ボウモアを5本揃えれば、1本くらいはパフュームが顔を覗かせるものである。がしかし2011年1月のテイスティングノートを見ていただくと、必ずしもそう言えなくなってきてもいるので、ボウモアも選択肢として残しているのである。 そんなことで若干違和感は残るがラフロイグと結論付けたが、正解はカリラであった。

 まずもって正解を出すことは難しいものである。

 さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] ウイスキーエイジェンシー カリラ EX-バーボンホッグスヘッド 1/254 1984-2012 28年 53.4% ***

(香り) 香りの立ちは遅い。そのせいか、ややドライだ。しだいにフルーツが少しづつ出現してくる。フルーツと酸味との調和もほど良い。  しばらくグラスを回していると、長熟を感じさせる香りが見え隠れする。

(味)  色とりどりのフルーツ、たいへん心地よいものだ。その後、適度なピートが広がってくる。 あくまでもピートは脇役だ。

*** [No.2] SMWS 53.129 カリラ EX-バーボンホッグスヘッド 1/267 1989-2009 19年 55.2% ***

(香り) ふくよかなフルーツ香、癒される香りだ。わずかにスパイシー。フルーツを引き立たせる酸味が素晴らしく高貴だ。

(味)  やはりフルーティ、酸味もほどよい。フルーツは南国の物でたいへん濃い。中程度のピートとわずかばかりの香ばしさ。

*** [No.3] AD ラトレー ワールドコレクション カリラ バーボンホッグスヘッド cask no.2362 1/225 1981-2012 59.5% ***

(香り) トップノートはひねた香り。すぐさま甘い香りに変化しつつ、エステル香がひらいてくる。奥にはナッツの香りも。バーボン樽の個性が見える。

(味)  高級フルーツとナッツの盛り合わせ。ややピリピリ感があるのはアルコール度数のせいか。  しばらくしてから心地よくピートが効いてくる。けっして弱いピートではないが、あくまでも脇役だ。本来ピートとはそうあるべきだと思わせるモルトである。

*** [No.4] ウイスク・イー カスクコレクション カリラ ホッグスヘッド cask no.1551 1/213 1983-2012 29年 61.4% ***

(香り) トップノートはエレガントでエステリー。わずかにひねた香りもあるが、爽やかな香りが強い。

(味)  オレンジをはじめとして南国フルーツが大盛りである。ピートもスパイスとして良い仕事をしている。たいへん出来の良いモルトだ。

*** [No.5] ダンカンテイラー オクタブ カリラ シェリー 3 month cask no.402775 1/71 1984 25年 51.6% ***

(香り) まったりと濃い香り、わずかにオゾン臭も。エステリーな香りが支配的だ。

(味)  まずピート、かなり強く効かせている。ヨードもわずかに感じる。ただし味わいはそれほど深いものでは無い。

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