MENU

コニサーズクラブ(13/9/22)テーマ「ミルトンダフ」

ミルトンダフ(1309)山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2013.9.22 スタンドバーにて

 今月のお題は、「ミルトンダフ」である。

 ミルトンダフ、またまた手に入りにくいモルトを集めたものだ、それも長熟物ばかりである。

 ミルトンダフはスペイサドイドモルトの典型、グレンリベットをややドライにしたモルト。数少ないテイスティングのなかではそんなイメージが出来上がっている。

​ 当たらずとも遠からずのテイスティングメモは残っているが、クライヌリッシュを思わせるタクアン系のひねた香りが見え隠れしていた。 かなりの長熟物が含まれているが、年数のわりに熟成が遅いかなと感じられた。そんなことで秋の夜長、時間を掛けてゆっくりと香りを見つけ出しながら味わっていただきたいモルトである。

  さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] ロナック ミルトンダフ 1971-2008 37年 40% ***

(香り) 香りの立ちは速く、エステリーな香りがグラスに近づけただけで広がる。色鮮やか、かつふくよかである。フルーティな香りは桃、梨、リンゴなどミックスフルーツだ。
 しだいにバニラの香りが立ってきて、バーボンカスクの個性を感じる。さらにナッツの香りや、熟成を予感させるウッディな香りも。  残り香には梅の香りも感じられる 。

(味)  色とりどりの洋風フルーツ、日本の香りとしては梅が感じられる。心地よい甘さと、わずかにスパイスを乗せる渋味。軽い味わいではあるが味の数は多い。
 加水するとウッディな味わいが上乗せされる。

*** [No.2] スリーリバース ザ・ファーストエディション ミルトンダフ 1982-2012 30年 48.3% ***

(香り) トップノートはタクアンの香り。酸化した金属の香りも。奥にはフルーツの香りもあるが遠いところにある。

(味)  硬い味わい。アルコール感も強く、若くてドライ。加水でフルーツはいくらか出てくる。

*** [No.3] OMC ミルトンダフ リフィルホッグスヘッド 1/183 1990-2011 21年 50% ***

(香り) エステリーな香りの中に、いがいがとした香りを感じる。わずかなピートを炊いているのであろうか。 しだいにやさしいフルーツが香り、スパイスとしてわずかにトースティな香りがミックスされる。

(味)  硬い甘さ、ピリピリと口を刺す時も。味の数は多くなく、ドライである。

*** [No.4] ダンカンテイラー ディメンジョン ミルトンダフ 61/249 1981-2012 30年 53.6% ***

(香り) 変わった香りに驚かされる。いままで感じたことの無い物だ。言葉にするのが出来ないので実際にテイスティングしてもらいたい香りだ。しばらくするとタクアンの香りも。
 香りは蒸留年の古い、たとえば1960年代後期を思わせるようなタイプのものだ。ただしそれは顕著ではなくわずかなものだ。湿気た暗いセラーの香りかもしれない。
 トースティな香りとナッツの香り、時折ウッディな香りも。香りの数はたいへん多く、時間とともに変化が楽しめる。

(味)  硬い味わい、アルコール感も強い。フルーツはブドウ系の味わい。ただし基本的にドライだ。 加水すると熟成由来のウッディな含み香がわずかに出てくる。

*** [No.5] ダンビーガン ミルトンダフ ホッグスヘッド cask no.30071-72 1/333 1987-2011 24年 55% ***

(香り) トップノートはエステリー、甘い香りを伴い強く香る。香りの数は多くフルーツの競演である。ややアルコール感が強い。

(味)  硬い味わい、アルコール感も強い。味の数は多くなくドライである。

#Connoisseurs Club #Tasting Note

この記事を書いた人