山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。
モルトの会、テイスティングノート
2013..2 スタンドバーにて
今月のお題は、「インヴァリーブン」である。
もともと話題の少ないローランドモルトではあるが、インバリーブンともなるとなお更であろう。話題と言って思いつくのは、ローモンドスチルが採用され、そのモルトはヘビーでオイリーな個性を持っていると言われていることだ。 しかし今回の5本においてその味わいには、特にそんな印象は持たなかった。
さてその特徴を探すべく過去のテイスティングノートを見返してみた、アルコール度数のわりにアルコール感を意識しているようである。 確かに今回の5本にもその傾向のものはあった。
長熟ものが4本登場した今回のインバリーブンではあったが、年数表示ほどの熟成を感じなかったところがこの蒸留所の特徴であろうか。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] シグナトリー インバリーブン バーボンバレル cask no.3606 9/125 1977-2008 31年 47.6% ***
(香り) トップノートは極めてエレガントなエルテル香。たいへん上品で上質な梨の香り。
穏やかでありながら華やかでもある。
(味) まずフルーツが口に広がるが、しばらくすれば押し出しの強くない熟成感が広がってくる。 たいへん深みのある味わい。しばらく味わっていれば、わずかにウッディな含み香を感じるようになる。
*** [No.2] オールドモルトカスク インバリーブン リフィルホッグスヘッド 1/330 1989-2005 16年 50% ***
(香り) 香りの立ちが遅い。くぐもったフルーツの香り。金属っぽい硬質な香り、ややひねた香りでもある。香りの数は多くない。
(味) 上品に口の中に広がっていくが、やや辛くドライである。注意深くするとトースティな個性も感じられる。
*** [No.3] メゾンドウイスキー インバリーブン cask no.1876 1/212 1978-2008 30年 50.6% ***
(香り) トップノートはウッディ。トップにいきなりウッディな熟成を感じるのは稀有な存在かもしれない。次にバニラの甘い香りが立ってくる。
しばらくすれば、みずみずしいフルーツが香る。香りの数は多い。
(味) 香りからすると意外なほどドライ。ただし香りと共通するのはウッディなところだ、まずまずの熟成を感じる。
*** [No.4] シグナトリー インバリーブン バーボンバレル cask no.4111 100/140 1976-2011 34年 55.4% ***
(香り) トップノートはハッカにミント。北国フルーツがいくつも香る。しだいにエステリーな香りが強くなる、たいへん深みのある香りだ。
(味) フルーティではあるがピリピリと口を刺す、アルコール感が強くドライ。ただし深みのある味わいだ。味わい深いと言いながら、時に砂糖水のような含み香を感ずる時も。
*** [No.5] ダンカンテイラー インバリーブン cask no.5667 078/178 1979-2008 28年 57.0% ***
(香り) まず爽やかなフルーツが立つ。追って甘い香りが広がる、香りが豊かなわりにアルコール感が強い。奥にはわずかに熟成香。
(味) とても硬質な味わい、とにかくドライ。アルコール感が強く、味の数が少ない。